自身が「響いて居る」ことを感じて生活する!

森羅万象が いま ひとつの鼓動となって
ふかく しずかに 響いて居る。
お手当ての温もりが
誰かの痛みをやわらげながら 響いて居る。
心臓は 宇宙の拍に合わせて
ひらき、しまり、ひらき、しまり
その律動で いのちを響かせて居る。
PCもまた、
電流のきらめきの奥で
情報という波紋をひそかに響かせて居る。
建物は、
人の想いと時間の層を抱きしめながら
沈黙のうちに響いて居る。
日本という大地は
山河と海空の呼吸のなかで
古層の記憶を響かせて居る。
ヒトは、
言葉を超えて
細胞のひとつひとつが
相手の気配へ向けて響いて居る。
経済も、政治も、文明も、企業も――
それらは分断された仕組みではなく
縁起の網のうちにゆらぎながら
互いを鳴らし合って居る。
都市のざわめきも、
食卓のぬくもりも、
家族の団欒も、
世界の変動も、
同じひとつの大きな響きの変奏曲である。
病気もまた、
いのちが“正直に鳴らす”もう一つの声として
深部から響いて居る。
カネの流れも、
仕事の手間も、
ひとつの関係性のハーモニーを
その奥にそっと宿して居る。
意識は
すべてのゆらぎを抱きとめながら
ひとつの透明な音として
いま、響いて居る。
そして――
世界の全ては
もともと響き合うために在り、
私たちはただ、
その響きを聴き、戻り、委ねればよい。
森羅万象が
ただいまここで
静かに、確かに、
響いて居る。



