陰徳縁起の微妙さ!

風間裕継

風間裕継

陰徳縁起
一、意識する陰徳はすでに陽徳
陰徳を「意識する」というその瞬間、
すでにそれは陽徳(ようとく)の領域に入っています。
つまり、「陰に積もう」と思った時点で、
微かな「我(が)」──報いへの期待──が芽生えるのです。
それが「悪い」ということではなく、
縁起の自然な段階として受けとめることが大切です。

二、「善果を期待してしまう」もまた縁起
善を為して見返りを求めるのもまた縁起の現れです。
人は“自他の区別”という幻想の中で育ち、
そこから自然に“報い”という観念が生まれるからです。
「期待してしまう自分」そのままが縁起の真っただ中にある。
これを否定するのではなく、
「そうか、これも縁の働きか」と見て味わい尽くすとき、“我”がふっとゆるみます。
この「観照のゆるみ」こそが、真の陰徳のはじまりです。

三、行為が「我」を離れる瞬間
陰徳とは、「為して忘れる」こと。
しかし、忘れようとして忘れられるものではありません。
響きに没入しているうちに、我を忘れるのです。
たとえば、花に水をやる手が、花を見ずにただ水の流れそのものになったとき。
聴診器で自分の心音を聴いているうちに、「聴く者」が消えるように。
そのときの行為は、意図を越え、報いを越え、ただ縁起の流れそのものとして動いている。
それが、「自然(じねん)の陰徳」です。

結びの一句

陰の業 溶けて響けば 縁ひらく

陰徳を積もうという心が起こるのも縁起、善果を期待するのも縁起、
そしてその期待がやがて溶けて響きとなってゆくのも縁起。
すべては一つの流れの中で、陰徳は静けさのうちに自然に響いてゆく。

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風間裕継
専門家

風間裕継(「想いの経営」パーソナル・ナビゲーター)

「想いの経営」京都研究座会

売上が伸びない、新事業が見えない、社内に相談相手がいない、そんな経営者の悩みに添って、次の一手を一緒に見つけます。「想い」を活かすブルーオーシャンの入口を75歳の経験とレゾナント思考で可視化します。

風間裕継プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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