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FPは人生の道先案内人。人生100年時代を向かえる中、顧客の豊かな未来を共に築いていくことが使命

お金に関する助言を通して顧客を豊かな生活に導くプロ

井村紀之

井村紀之 いむらのりゆき
井村紀之 いむらのりゆき

#chapter1

一般論を語るのではなく、おのおので異なる問題の根本をしっかりと捉えて納得の行く解決策を導き出す

 大手証券会社、保険会社勤務を経て、2004年に「FP事務所RICHWAY」を開業したファイナンシャルプランナー(FP)の井村紀之さん。生まれ育った京都の町を基点に、大阪をはじめとする関西圏の中小企業経営者および医師、またその配偶者を主な顧客としています。日本語で「豊かさへの手段・方法」を意味する社名に込めたのは、「お金の健康維持に関する確かなアドバイスを提供し、豊かな心で生活していただけるよう導く」という理念です。

 FPという職業を他の有資格業と比べた時、井村さんが大きな違いとして認識しているのは、過去の出来事に対する清算ではなく、未来の事柄を顧客と共に築き上げていく点。

 「アメリカでは、一人に一人のFPがつくといわれています。資産を形成していくためには相談者が必要だと考えているんですね。人生100年の時代を見据える日本でも、こうした文化が必要と言えるでしょう」

 ライフプランの設計や資産運用はもちろん、各種保険への加入や見直し、セカンドライフの準備から遺言書の書き方に至るまで、井村さんのもとに舞い込む相談事は多岐に及びます。

 「一般論でファイナンシャルプランニングについて語ることはいくらでも可能ですが、いらっしゃるお客さまの生活や人生、またその根底にある価値観はさまざまです。直面されている問題やお悩みにまずはしっかりと耳を傾け、真の思いを把握した上で、複数の解決策をご用意してご自身に選んでいただく。納得していただくことを重視しています」

#chapter2

お金に無頓着だということは潜在的に損をしているということ。金利と時間を味方につけて豊かな生活を

 井村さんには、「顧客の多くがお金に対して関心が深い一方で、お金に対してなすがままの人はそもそもFPを利用しない」というジレンマがあるといいます。また多くの日本人には損をすることへの強い抵抗感、そして株式投資や投資信託は損をするものという先入観があることを指摘します。

 「お金に無頓着であると、潜在的には損をしているケースがあることに気づいてほしいですね。資産運用のコツは、金利と時間を味方につけることですから。その取っ掛かりとしてよくお伝えしているのがお給料の三分割管理です。まずは、生活費やお小遣いのように日常に使うお金。次に教育資金や車、住宅購入用の資金といった目的や使用時期が決まっているお金。そして残った三つ目を老後資金に回してくださいと」

 井村さんにとってFPとは「人生の道先案内人」。印象深い出来事の一つとして、老後の備えについて相談に訪れたある医師夫妻のやり取りについて語ってくれました。

 「医師であるご主人は、仕事上では数字には強いはずなのですが、こと私生活となると稼いでは使うの繰り返し。一方で奥さまは金銭感覚がシビアな方で、お話を進めていくにつれて互いのずれが浮き彫りになり、私の目の前で夫婦げんかになってしまったんですね。もはや調停役のような立場で双方の言い分を伺い、また妥協もしてもらいながら、ご一緒に設計書を作成しました。こうした過程を経ることで、価値観をもすり合わせていけることもあるんです」

井村紀之 いむらのりゆき

#chapter3

一人一人が能動的に選択することが求められる社会に向かう中で、FPに求められる役割を見据えて

 2019年にはいわゆる「老後2000万円問題」がニュースとなり世間をにぎわせました。また、かつての高度経済成長時代のように、銀行や郵便貯金にお金を預けていれば資産管理は安泰という時代ではありません。

 「今は金融意識の変わり目です。例えば、職場に訪れた保険外交員の方と契約を交わすような世の中から、欧米のように自ら金融知識をつけ、能動的に選択する社会に移り変わりつつあります。その中でFPを賢く活用していただけたら幸いです」

 こうした現状を踏まえて、井村さんは学生や新入社員を対象にした金融経済教育のセミナーにも力を入れています。

 「基本として特にお話をさせていただいているのは、資産運用における金利の効果、利息が利息を生むカードローンのリボ払いの怖さ、そして健康保険や年金保険といった社会保険制度についての3点です。特に社会保険は給料から天引きされますが、実際にどういう目的に使われているかを知っている人は非常に少ないんです」

 今後の展望として井村さんが共鳴するのが、同じく京都市に拠点を置く分析・計測機器メーカー、堀場製作所の堀場厚会長が提唱する「割烹商法」という考え方です。

 「割烹料理屋のように、良いお客さまに良いお値段で良い商品とサービスを供給していくというビジネスマインドです。具体的には、欧米諸国のプライベートバンカーのように、富裕層向けにワンストップで行える資産運用や保険関連の相談業務に特化していきたいですね」

(取材年月:2021年11月)

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井村紀之

お金に関する助言を通して顧客を豊かな生活に導くプロ

井村紀之プロ

ファイナンシャルプランナー

FP事務所RICHWAY

一般論を語るのではなく、まずは顧客一人一人で異なるお金にまつわる悩みや問題にしっかりと耳を傾け、真の思いを探り出すことに注力。解決策の提案を通して、金銭面のみならず豊かな心で生活してもらえるよう導く。

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