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居住用なのに課税?

江後慎太郎

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居住用は非課税
 Aさんは、中規模のマンションを1棟持っておりました。中規模マンション1棟ですから、年間の収入は1,000万円を越えておりましたが、入居者はほとんどが居住用として利用しておりますから、その家賃収入については、消費税は非課税ということで、消費税の申告はしてまいりませんでした。

一括借上げは要注意
 しかし、管理も大変なので、不動産会社に一括で借り上げてもらうこととしました。その3年後、例年のように確定申告を済ませてホットしていたら、税務署から消費税の申告がなされていない旨の連絡が入ってきました。Aさんはびっくりして税務署にどうなっているのか談判に行きました。

税務署の見解はこうです。
 一括借上げは、不動産会社です。不動産会社でもその転貸先が居住用に限られていれば良いのですが、Aさんのケースの場合は一括借上げの契約書にそのような文言がありません。

 消費税の居住用の不動産収入の非課税の規定には、「契約において、人の居住の用に供することが明らかにされているものに限る」と明記されておりますからAさんの場合は非課税収入とはなりません。

消費税は忘れたころにやってくる。
 しかしAさんは、「去年も一昨年もそんな話は無かったのに、何故今年になって急にそんな話が出てくるのか」と食い下がりました。
「消費税は基準期間というものがあります。それは2年前です。2年前の課税売上が1,000万円を超えた場合に課税事業者となります。あなたの場合は2年前に一括借上げで、課税売上が1,000万円を超えたので、今年から課税事業者なのです」ということでした。

 Aさんは、泣く泣く消費税の申告に応じ、その足で不動産会社に行き一括借上げの契約書を以下のように直しました
「転貸は原則として居住用に限る。居住用以外の用途で転貸する場合は、Aさんの同意を必要とする。」

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江後慎太郎(税理士)

京都税理士法人<江後経営グループ>

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