折れない心
N市立大医学部合格のTY君。
凡事徹底という言葉目にするたびに、彼のことが思われます
当塾に中学入学と同時のご入会でした。
その場でのお母さんとのご面談では、準備をせずダメもとでK教大附属中を受験して、予定通りダメだったと明るく笑っておられたのが印象的でした。
受験自体、ご本人の思い立ちとのことで、放任主義ではなく自主性を重んじお子様の意思を尊重した親子の関わりが見受けられました。
受験期のお子様を持つ保護者の方は、ややもすると深くの関わることが愛情と思われがちですが、関われば関わるほどお子様の自立は遅れていきます。
そういう意味では、理想的な親子の関係だったのではないでしょうか。
中学校時の成績は、ほとんど5だったと記憶しています。
何事も手を抜かんず、与えられた課題全てを処理し、さらに自分でも新規の取り組みを見つけていました。
学校の学習内容などどんな些事も疎かにせず、納得するまで理解するまで取り組んでいました。
まさに、凡事徹底の権化。
これだけしっかりボトムアップに時間をかけると、なかなか超高難度の問題への対応力の養成には時間をかけることはできませんが、充分お釣りのくる学力をもってH高校へ進学していきました。
その学習スタイルはその後の3年間も変わりませんでした。
と、いってガリ勉タイプではなく、陸上競技にもしっかり取り組んでいましたし、進む大学も「日本の食糧事情を考えるため」と京大農学部と言っていました。
そちらに進んでもきっと大成したと思います。
つまり、彼をして語るとき、特筆すべきはこの基本から一つひとつ丁寧に積み重ね一事も疎かにしない学習のスタイルでした。
目標を決めたらひたすら歩き続ける、そのストイックな学習姿勢が彼を高みへと導いていったのです。
ここに、アルゴが目指す学習の一つの形があります。彼はまさにその体現者でした。
凡事徹底。
それはたやすいようで継続という忍耐の連続です。
派手ではなく耳目を集める花もありません。
しかし、ここに学習の、いや学習を通じて学んでほしいヒトとしての真髄がある、と私は思うのです。
彼の目標達成は、この誰でもができることなのに誰でもはできないことをなし続けたことの勝利でした。
まだまだ続く彼の人生、この弛まぬ心があれば、きっとどんな困難であろうとも乗り越えていくだろうと思うのです。