マンションライフを快適に110
今回は、給水方法 その9から進めて行きます。
給水管
建物内
埋設管から建物内に水道管が入り、各縦系統に枝分かれして、上階まで供給しています(高層階の場合、中間に給水タンクを設け中継して上階まで供給しています。)
各配管には、水圧がかかり、室内配管では、ウォーターハンマー・流水音の低減の為に、給水管内の流速は、1.5~2.0m/s以下としています。
各住戸水道メーター前に、減圧弁が設置され、そこで調整しています。
各住戸の配管
子メーターから、給湯器と水道の2系統に分かれ、水とお湯に分かれます。
水道用硬質ポリ塩化ビニル管(VP)(耐衝撃性改良されたHIVP )
今までは、このタイプの水道用配管をつかい施工していましたが、配管自身が硬く、曲がらないので、接手にて(専用ボンドが必要)曲げる事が必要でした。
共用部分では、散水栓に向かう埋設管に使用される事が多いです。
架橋ポリエチレン管・ボリブデン管
この商品が出る事で、曲げられ(緩やかに。直角には曲がらない。)る様になり、接手を使用せずにその場所まで行く事から、「埋設の道中で接手が必要でない。」「各器具まで、接手が必要でない。」事から、大変重宝され、現在の主流配管となっています。
室外で使われる事は少なく、共用部分であれば、管理室・集会室等には、使用されている事があります。
さや管ヘッダー方式
洗面所の床下で、給湯器から出てきたお湯を1本をさや管ヘッダーに入れ、数本に分けてお湯を供給できる様になりました。
水も同様に1本、水道管からさや管ヘッダーに入り、数本に分けて供給しています。
お湯は赤、水はブルーと分けられ、見た目に分かる様になっています。
各子メーターから、洗面所に行く、洗面所からキッチン・トイレ・バルコニー散水栓等に配管が行く場合、再度コンクリート内に埋設されている場合が多いです。
架橋ポリエチレン管・ボリブデン管の寿命
50年程度と言われていますが、日本では約30年程度しかたっていないとの事です。
建物寿命は約60年と言われていますので、建物寿命が近くなってくれば、問題が出てくる場合もあります。
学者によれば、健全なコンクリートであれば、100年持つとも言われ、配管を入れ替えなくてはいけない場合、転がし配管(建物側に穴を開けずに施工する)事が必要になるかもしれません。※パイプスペースから室内側に入れるには、コンクリート壁をコア抜きしないと出来ませんが。
次回は、屋内消火栓 その1から進めていきます。