50年後の日本の人口とは
総務省より自治体向けに4月1日付けで
返戻品の割合を「速やかに3割以下とすること」という通知がありました。
ふるさと納税は「地方自治体に対する寄附金のこと」ということですが、
もう少し細かくいうと、「寄付」かどうかとなってくるところに問題があるようです。
そもそも、寄付金とは
税制上、「経済的な利益の無償の供与」となります。対価がないものです。
対価というと、ふるさと納税は返戻品(反対給付)があります。
その返戻品の過熱ぶりが問題のようです。
仮に1万円の寄付金に対し、5割の返戻品となると、5000円の返戻品をもらう。
差し引くと、5000円の損をしてしまうと思ってしまいますが、単純にそうではありません。
2,000円を超える部分については、
一定の上限まで所得税・個人住民税から全額が還付・控除されます。
(※所得額や家族構成等により控除額の上限あり)
実質2000円の負担で返戻品を手にすることができ、
地域貢献(寄付の使い方も選択できたりします)が可能で税金が安くなるわけです。
H27年からふるさとの納税がぐんとおトクになりました。
①寄附に対しての控除額が2倍に増加
②寄附先が5自治体以内であれば確定申告が不要(ふるさと納税ワンストップ特例制度)
③特産品がもらえる自治体が増え、返戻品の種類も様々となった。
よいことばかりのようですが、そうでしょうか。
個人住民税は、今住んでいる住所地の行政サービスのために使われています。
近年都会に仕事を求め人口が流出していくことは、つまり地方に住所地をもつ人が少なくなり、納付する税の収入減少につながります。そこでふるさと納税の仕組みは、育んでくれた地方、お世話になった地域の行政(教育や福祉)のコストに対して還元する仕組みで始まりました。
ふるさと納税の寄付金を受け取る自治体は収入がどんなに多くても、地方交付税(国から本来受け取る交付金)はそのまま減額されません。
一方、地方交付税の不交付団体である東京都は、区民税の減少しており、昨今の待機児童への解消等・・・行政サービス面で対応が難しいところです。
本来、安心して住みやすく、行政サービスによる受益に対して税金を負担する(応益性)が住民税の原則です。
ふるさと納税の返戻品で、税収額が高い自治体とそうでない自治体、があります。
地方自治体の交付金の財源は、国税と国の借金です。
その負担は、私たちの子どもや孫たちの世代へとなり、もしかするとふるさと納税によって、将来増税を受け入れることになってしまうことも懸念されます。