Vol.44 「見えないお友達」=イマジナリーフレンドは、想像力を大きくさせる大事なお友達。

「うちの子、やる気がなくて…」
学習塾や家庭で、こんな悩みをよく聞きませんか?
でも、それは本当に「やる気がない」のでしょうか?
もしかしたら今、その子は勉強よりも友達との時間を大事にしたい時期かもしれません。
あるいは、失敗や不安が心にひっかかって、勉強どころじゃないのかもしれません。
今回は、そんなテーマについて文献も元にして探ってみたいと思います。
「学ぶ意味」がわからないとき、人は動けないものである
下の研究論文によると、子どもたちの学習意欲に関して、次のように述べられています。
「中学生になると勉強しても仕方がないとする諦念や意味づけの困難さが現れ、自主的な勉強への意欲がわきにくくなっている様相が示唆される」
『子どもの学習意欲に関する実証的研究』日本学習社会学会年報,
私たち大人も、目的のわからない仕事にはなかなか身が入りません。
それと同じように、子どもにとっても「なぜ学ぶのか」が見えないとき、自然と気持ちは離れてしまうというのですが・・・・
なんだかこれは、とても分かりやすいものですね。
さらに、中学生からその傾向が高くなるのも納得感が高いと言えます。
保護者はこのころから、小学生の時のように子どもたちに手をかける頻度が少なくなってくるのも背景として影響があるかもしれません。
本当の意味で自律をちゃんと支持することが、やる気の種になる
さらに、立教大学の研究によれば、
「親は支配的な態度だけではなく、子どもに好き勝手させるような態度にも注意を向けるべきである」
「大事になるのは親からの情緒的支持、すなわち共感的態度や愛情であると考えられる」
『親の養育態度に対する認知が子どもの学習意欲に及ぼす影響』立
と、それぞれ書かれています。。
つまり、
「あなたの好きにやっていいんだよ」という、自分の自主性を重視し、自分の好きなことをさせてくれると認知する子どもほどに、学習意欲が低下する傾向があるという衝撃的な内容であり、それはある意味で「無関心」のストレスを子どもに与えるものとなるかもしれないのです。
また反対に、モンスターペアレントとまでは言わないものの、子どもの学習計画を親が全て立てるなど、教育熱心すぎて、子どもへの統制・干渉を強く行われている場合は、そのストレスによっても学習意欲の低下につながると考えられます。
大事なことは、親からの共感的な態度や愛情によって、子どもたちが一定の「安全地帯」をちゃんと認識していることで、学習も含めた積極的な態度につながっていくということです。
「0」か「100」じゃダメ!
理想論だけでも計算だけでもダメ。
ちゃんと子どもと対話して、認めながら関わること。
勉強の前に、子どもの気持ちを聴いてみましょう
子どもが勉強に手がつかないとき、大人ができることは「叱る」ことや「理屈を言う」ではありません。
まずは、こう問いかけてみましょう。
- 「最近、学校どう?」
- 「何が楽しかった?」
- 「何か困ってることある?」
とても重要なことですが、子どもたちが成長するにつれて、なかなか聞かなくなってきていませんか?
その子が安心して言葉を出せる空気をつくること。
それが、やる気や興味を育てるための土壌づくりになります。
最後に
子どもは「やる気がない」のではなく、
今はまだ、心の準備ができていないだけです。
日々の生活の中でそのサインを見逃さず、
「信じて見守り」ながら、ちゃんと「対話」することこそが、学びに向かう気持ちを育てる一歩になります。
いかがでしたでしょうか?
ぜひ上の文献、リンクになっていますので時間のある時に読んでみてくださいね(*^^*)



