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Vol.29 AI時代に、私たちはどう学び、どう生きるか~「穏やかなシンギュラリティ」から考える、教育と人間らしさ~

土居郁男

土居郁男

テーマ:プログラミング教育

シンギュラリティ

静かに、でも確かに変わり始めている世界

OpenAIのサム・アルトマン氏が、個人サイトで
「The Gentle Singularity(穏やかなシンギュラリティ)」
という文章を公開しました。

そこには、「AIが私たちの知性を超える時代が、もう始まっている」という、驚きと希望に満ちた未来が描かれていて、今話題になっています。

もうみなさんは、お読みになられましたか?(*^^*)
日本語訳は、「IT navi」さんという方が書かれていましたので、こちらも引用させていただきます。
The Gentle Singularity
翻訳
さて、アルトマン氏によれば、今後数年のうちに、人間のように考え、タスクをこなし、新しい洞察を与えてくれるAIが当たり前になっていくとのことでした。
そして2030年代には、知能とエネルギーが非常に豊かになり、人間の可能性がこれまで以上に広がる時代がやってくると言います。

このことは、少し前から色々な方に指摘されており、
自分も職業訓練やプログラミングスクールなどの場で、この急速な進化と変化と、そして文化の変容の可能性についてお話したりしています。

今日は、このアルトマン氏の言葉を念頭にして、これからの学びで大事なものとは何なのかを再度、考えてみたいと思います。

これからの教育に必要なこと

「AIと共に生きる時代」について、私たちは「教育」をどう捉え、そしてどう変えていけばいいのでしょうか?
あるいは、変えていくべきなのでしょうか?

1. AIを正しく使いこなす力を育てる

AIを道具として使いこなし、必要な情報を引き出し、アイデアをかたちにしていく「AIリテラシー」は、これからの学びの基本になりそうですね。
これは、もう「そういったものもあるよね」なんて言い方で、AIについて無視が出来ないことなのでしょう。

2. 自分の頭で考える力を大切にしたい

便利なAIが常にそばにあったとしても、「なぜ?」と問いを立てる力や、「本当にそうだろうか?」と考え直す力は、私たちにしかできませんし、失いたくない大事なスキルです。

「考えなくてもできるようになる」の先には、
より
「考えなくてはいけない」現実が膨らんでいると考えています。

3. 共に学び、共に悩む経験を

仲間と一緒に考えたり、失敗から学んだりする経験は、知識以上に大切な「生きる力」になり得ますよね。
こういったことは変わりませんし、とても大事なのでしょう。

AI時代でも、人と人のつながりの中で育つ力を忘れずにいれば、きっと本当の意味で、AIの活用によるより豊かな人生観を得ることが出来るはずと思います。

人間にとって大切な「価値ある生き方」とは何でしょうか?

テクノロジーがどれだけ進んでも、
「どう生きるか」
は、人間にしか選べないテーマです。

1. 自分の内側にある「好き」や「信じること」を大切に

  • 「自分は何がしたいのか」
  • 「どんな人生を送りたいのか」

もしかしたら人間のそんな根本的な存在意義を考えながら生きることこそが、今求められていると考えられます。
そういった「問い」と向き合いながら進む人生にこそ、AIには導き出せない「意味」が生まれてくるのでしょう。

人は、AIを生み出したのです。
生み出されたものは、生み出したものの心を本当に意味では分かり得ません。

2. 誰かとつながる・助け合う

  • 「共感する力」
  • 「寄り添う心」
  • 「誰かのために何かをする気持ち」

それは、人間が持つ、かけがえのない力で、一見計算に合わない不合理なこともできてしまう能力です。

3. 変化に適応し、何度でも学び直す

時代の流れは恐ろしく速いですね(><)
けれども、自分らしくしなやかに変化できることも、人としての強みのハズです。

「変われない自分」を脱ぎ去って、「変化・対応できる自分」が必要となってくるのでしょう。

『人らしさ』こそが、未来をつくる

これから先 AI → AGI → ASI と、どんどん進化したとしても、私たち人間にしか持てないものが、もちろんありますし、何度でも見つめ直すべきだと思います。
それは・・・

  • 「問いを立てる力」
  • 「心を通わせる力」
  • 「意味を見つける力」

そういった意味で、「これからの教育」というキーワードで考えるときには、既存のシステムに捉われることなく、知識においてはもっとデジタルを利用して効率化した上で、もっと知識以外の重要な、目に見えない
「人間らしさを深めていく学び」
を大事にした在り方へと変わっていく必要があるのかもしれません。

それはきっと、今の現場を支える先生方や学校、塾業界、保護者にとっては、とても漠然としていて不安を感じるものとなるでしょう。

だって、「そういった教育を受けてきていない」のですから。

ですが、一つ言えるのは、
AIを教育で活用する際に、それ自体を何か悪いもののように見立てても、得られるものは何一つありません。
それどころか、「知識の量こそが人間の在りよう」と考えるならば、一生かかってもコンピュータにはかなわないことをしって、絶望と昏迷に陥るでしょう。

ですから、AIと共に生きる未来に関して、決して「人の価値を奪う」ものではなく、むしろ

AIは人間の本当の力を、より輝かせてくれるツール

として、出来るだけ前のめりに活用してしまうことがいいかもしれませんね(*^^*)

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土居郁男
専門家

土居郁男(プログラミング講師)

スターティングPCスクール(Stapa Programmer’s Guild)

生徒一人ひとりと対話して向き合い、本人自身も気づいていなかった強み、興味、関心、特徴などを見つけます。各自のプロジェクトを通じて、楽しみながらプログラミングを学べる、自由な雰囲気の教室です。

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