子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。
「知っているはずなのにできない」って、ありませんか?
私たちは小さなころから学校や家庭で様々なことを「暗記」したり、ルールを憶えさせられたりします。
でも、そうやって覚えたことが、実際の生活や行動にちゃんと活かされているかというと、なかなかそうでもないなと感じていませんか?
たとえばこんな経験。
「知っているはずなのにできない」
「教えられたはずなのに思い出せない」
なんてこと。けっこう多いですよね。
例えば、英語などの語学学習では、文法自体はテストとかで完璧に覚えているのに、いざ会話ってなると言葉が出てこない・・・
ビジネス書をたくさん読んで知識は身についていると思えるのに、実際の仕事ではうまく活かせない・・・
こんな経験、きっと多くの方にあるのではないでしょうか。
知識って実は「素材」なんじゃないかと思うんです。
私は、知識って単なる「素材」や「材料」、もしくは「ツール」ではないかと考えるとしっくりくることがあります。
それらを自分の実際の行動の中で「使って体験する」ことで、やっと本当の意味で自分のものになるという意味です。
つまり、知識は外から与えられて頭に蓄積するものではなくて、自分自身の体験を通じて「作られる」ものなんだと考えています。
元も子もありませんが・・・知識って、結局のところ人それぞれの体験によって得られるものですから、その人個人にしか本当の意味では身につかないものでしょうね。
どんなに素晴らしい先生や本から学んでも、最終的にはその人自身が体験しないと、本当の意味での理解にはならなかったりします。
「まずは基礎から」って本当に必要でしょうか?
学校や学びの場では、よくこんなことを先生が話したりします。
ちなみに自分自身もけっこう使ってしまったりします。
「まずは前提となる基本を学んでから進みましょう」
この考え方、確かに間違ってはいないのです。
しかし、その一方で、学習をするために基礎となる知識を絶対に事前に知っておかないといけないのかな?と疑問について考えてみましょう。
それには二つの要点があります。
1. いつまでたっても始められない問題
「勉強を始める前に基礎知識を身につけよう」「でもその前にもっと基本的なことを...」「いやいや、その前に...」って、気がつくと永遠に準備段階、もしくは泥沼化でごちゃごちゃになってしまうことってありませんか?
2. 仲間と一緒に学ぶ楽しさ
もしも何かを学びたいと思ったら、すでにその分野を学んでいる人や、同じように学ぼうとしている人たちと交流してみるのもいいかもしれません。
そうすることで、「なぜこれを学びたいのか」という気持ちがより具体的になったり、分からないことを教えてもらったり、一緒に悩んだりしながら学べる。
そんな体験を通じて学ぶ方が、効率的だし楽しいし、本当の意味で「身についた」と感じられるんじゃないでしょうか。
ちょっと待って、その教育感。ちょっとバランスが偏ってませんか
もちろん、基礎的な知識や技能が全く必要ないなんて言いたいわけではありません。(※ここちゃんと大事)
安全に関わることやマナー、社会で生きていくための基本的なルールなどは、やっぱり大切です。
その上で、自分が気になるのは、これまで(=今でも)続いている「偏差値教育」が少しバランスを欠いているのではないかということです。
知識をどれだけたくさん覚えているか、テストでどれだけ正確に答えられるかばかりが重視されて、一人ひとりの個性や「学びたい」という気持ちが軽視されがちな気がするのです。
これは、子どもたちがそう思っているのではなく、親や先生、大人たちがそう思っているのです。それが子どもに伝搬し、また子どもたちを取り巻く学校や学習塾の考え方や運営にも影響します。
では、どんな学習環境が理想的でしょう?
では一体、皆さんはどんな学習環境があればいいなと思いますでしょうか。自分が考えるこんな三つの要素について、悩める保護者や先生方、大人の皆さんの参考になればと思います。
1. 一人ひとりが「今の自分」を知ることができるということ
「自分は何を知っていて、何を知らないんだろう?」
「どうやって学ぶのが自分に合っているんだろう?」
そんなことを理解できるようになること。これって、きっと一生役に立つ力になると思います。
2. 大人がちゃんと子どもの状況を見て、支えてくれるということ
みんなに同じことを、同じタイミングで、同じような口調で教えるのではなく、一人ひとりの「今いる場所」や「今の状況」をちゃんと真剣に考えたうえで、そこから一歩前に進めるような手助けをしてくれるという、うれしい存在が近くにいるということは、大人をちゃんと普段から見定めている子どもたちにとっては重要な点となります。
3. いい相談相手になってくれるということ
子どもたちにとって、親や先生、周りの大人たちが、昔ながらの「教える人と教えられる人」という上下を意識した関係ではなく、一緒に考えて、お話しながら理解を深めていけるような、「対話」を面倒がらずにしてくれる存在であってくれることはとても重要です。
まとめ
いかがでしょう?
なんとなく言いたいことが伝わりましたでしょうか?
まとめると、やはり知識って、頭の中に貯めこんでいくものではなくて、実際に体験しながら作っていくものなんではないかと考えています。
そして、その体験は一人だけでするよりも、誰かと一緒にする方がずっと豊かで楽しいものとなるはずなのです。
私たちに必要なのは、知識をたくさん詰め込む教育ではなく、一人ひとりの「学びたい」という気持ちを大切にして、体験を大事にした学びを応援してくれる「環境」なんじゃないでしょうか。
※ちなみに「環境」とは「モノ」だけではなく「ヒト」をも指すと考えています
不登校や少子高齢化、多様化する働き方やキャリアの時代において、子どもたちを取り巻く学習環境もちゃんと成長していき、理想的な学習環境が、これからもっともっと増えていけばいいなと思いつつ、今日も自分の運営しているプログラミングスクールや学習塾、職業訓練を進化させ続けようと思っています。
最後に宣伝ですが・・・
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