防水型塗装は、外壁の腐食を防ぎ、建物への雨水の侵入も防ぎます!
マンションやアパートを所有しているオーナーさんたちにとって、
外壁塗装の重要な目的は建物自体の保護
マンションなどのメンテナンスの中でも、外壁塗装は基本です。まず、外壁塗装の必要性について知っておきましょう。
マンションは鉄筋や木材、セメント、コンクリートなどで構築されていますが、これらの資材自体に防水の能力はありません。
そのため、資材に塗装を施すことで塗膜を作り、防水効果が出るようにするわけです。
建物の外壁すべてを塗装し直すには、ある程度の期間と費用がかかってきますが、メンテナンスによる外壁塗装をしなければ、月日と共に外壁は汚れていき、劣化してしまいます。
国土交通省が平成25年度に実施したマンション総合調査結果によれば、大規模修繕時に実施した工事項目として、実に90%を超える割合で外壁塗装がトップになっています。
外壁塗装は、マンションのメンテナンスにおいてそれだけ重要な部分と考えていいでしょう。
外壁塗装の塗り替えのタイミング
では、実際に外壁の塗り替えをするタイミングはどうやって見極めればいいのでしょうか?
以下はマンション全体のメンテナンス時期の目安の一例です。
【新築から約4~5年後】
・鉄部塗装
・防水保護塗装
【築10年後】
・鉄部塗装
・防水
・外壁塗装
・コーキング(シーリング)打ち替え
【築15年後】
・鉄部塗装
・防水保護塗装
【築20年後】
・鉄部塗装
・防水
・外壁塗装
・コーキング(シーリング)打ち替え
これを見ると、外壁塗装は約8年から10年の間隔で行う必要があることがわかると思います。この間隔を基準として、マンション修繕の項目に外壁塗装を入れておくといいでしょう。
塗り替えが必要な外壁の劣化症状などをご紹介
前述したメンテナンス時期を基準に、実際に外壁の塗り替えを検討するタイミングとしては、以下のような症状があります。
□外壁に汚れや雨漏りによるシミ、変色が目立つ
□塗膜にはがれがある
□コンクリートが剥離してはがれてきた
□ひび割れが見られる
□チョーキング(手で触ると白い粉が付着する)状態になっている
□カビやコケなどが繁殖している
これらのような症状が現れている場合、症状の度合いによっては築年数に関係なく塗り替えを考えた方がいいでしょう。
また、外壁塗装に使われている塗料によっても耐用年数が変わるので、参考にしてください。
□アクリル塗料/約4~7年
□ウレタン塗料/約6~10年
□シリコン塗料/約8~15年
□ラジカル塗料/約8~15年
□フッ素塗料/約15~20年
□遮熱塗料/約15~20年
外壁の塗り替えをする際には、マンション全体の大規模修繕をする時期を考慮に入れて、それに合わせた耐用年数の塗料を使うと効率的です。
マンションの外壁塗装の大まかな流れ
最後に、外壁塗装の塗り替えのみを考えた場合の工事の期間と、基本的な流れをご紹介しましょう。
【工事期間】
外壁塗装塗り替えの工事期間は、一般的に考えると50戸以下の規模で1~2カ月程度、50戸以上であれば2~3カ月程度と思っていいでしょう。
ただし、外壁塗装は天気に大きく左右される作業でもあるので、雨や雪が降って工事を中断しなければならないことも多々あります。
梅雨や台風の季節などは避けて、余裕を持った期間での工事計画を立てることが大切です。
【工事を始める前に必ずやっておきたいこと】
複数の世帯が暮らすマンションやアパートでは、外壁塗装工事の前に必ず入居者たちに告知する必要があります。
工事が始まると騒音や振動、臭いなどが発生するので、クレームが出る可能性もあります。これを防ぐためにも、必ず全員に告知が行き届くようにしましょう。告知は、最低でも工事開始の10日前にしておくのが基本です。
また、告知方法としてはマンション内の掲示板でお知らせする他にも、回覧板を使う方法、部屋数が多い場合には工事のお知らせをチラシにしてポスティングする方法などが考えられますが、いちばん確かな方法は1件ずつ部屋を回って直接説明をする方法です。
さらに、規模によっては周辺の住民に告知することも必要です。
工事車両で一時的に道をふさいだり、騒音で迷惑をかけることになるので、事前にお知らせをしておいたほうがよいでしょう。
マンションの規模や状況を考えて、最適で確実に伝わる方法をとりましょう。
<知らせるべき告知の内容>
・工事の内容
・工事開始予定日と工事完了予定日
・ベランダが使えなくなること
・騒音、振動、臭いが発生すること
【工事の大まかな流れ】
外壁塗装工事の大まかな流れは、以下の通りです。
□足場の設置
□シート養生
□高圧洗浄
□既存の外壁下地処理
□シーリング(コーキング)の打ち直し
□下塗り
□中塗り
□上塗り
□養生撤去
□足場の解体
□後片付けと清掃
工事期間中の注意点としては、入居者たちが事故に遭わないように十分な配慮をすることです。特に小さなお子さんや高齢者が居る場合には、資材などにつまずいて転んだり、ケガをする可能性もなくはありません。
どんな工事にも言えることですが、作業員共々、「安全第一」ということを覚えておきましょう。