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有限会社高装

コラム

外壁・屋根塗装には遮熱効果があるって本当?

2019年10月2日

テーマ:外壁塗装

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 断熱材 効果屋根塗装

塗装工事で使われる塗料に「遮熱塗料」というものがあります。
また、遮熱とよく似た言葉に「断熱」というものがあって「断熱塗料」もあるのですが、両者はどう違うのでしょう?

これらは熱を遮断したり、断熱する塗料ということになるのですが、お家の室内温度を気にされている人で注目されている塗料が「遮熱塗料」です。今回はその特徴についてご説明します。


遮熱・断熱塗料ってなに?
太陽光からの熱エネルギーを抑え、住宅の室内温度の上昇を阻止する塗料が「遮熱塗料」と「断熱塗料」です。
遮熱塗料・断熱塗料ともに環境にやさしい、また環境面を配慮したものとして評価されていてますが、簡潔に言うと、熱を反射するのが「遮熱塗料」、熱を伝わりにくくするのが「断熱塗料」となります。

【遮熱塗料の特徴】
遮熱塗料は熱を反射して遮りますので、太陽光を効率よく反射して、建物が受ける熱の影響を極力抑えることで、室内温度の上昇を抑制します。
また遮熱塗料は、放射熱によるヒートアイランド現象の抑制と省エネ、節電によりCO2が削減でき、その結果、地球温暖化現象の抑制にも貢献できる環境にやさしい塗料です。

【断熱塗料の特徴】
断熱塗料は太陽からの熱源を塗膜にため込む断熱材の役割を果たす上、さらに遮熱塗料のように太陽光を反射する機能も併せ持っています。したがって、夏は太陽光による熱電動を抑えて室内の温度を下げ、冬は室内の熱を外に逃さないため、住空間は一年中快適であり、冷暖房費も年間を通じて節約できます。

そして遮熱塗料と同様に、省エネ、節電によりCO2が削減でき、地球温暖化現象の抑制にも貢献できる環境にやさしい塗料です。

遮熱塗料を塗ると室温はどのくらい下がる?
業者さんのカタログには、遮熱塗料を使用した場合の劇的な効果を期待させるサーモグラフィー(熱分布図)などが記載されていたり、ホームページには「お客様の声」として「エアコンを使わなくなった」といったような施工後の声も載っていたりします。

真偽のほどはともかくとして、実際のところで言うと、「東京都内の近郊で、最も一般的な建物の形態である「木造2階建て・スレート葺き」の場合、気温37℃の日に、遮熱塗料を塗っていたら35℃くらいに感じることができるかもしれない、といったところです。

体感で2℃下まわっていると、けっこう涼しく感じられるのではないでしょうか。

遮熱塗料は、省エネにもつながる
遮熱塗料は、太陽光を反射して建物が受ける熱の影響を極力抑えますので、建物に省エネ効果を発揮する塗料でもあります。

すなわち、遮熱塗料は夏の暑い日でも屋根の温度上昇を抑え、快適な環境づくりに貢献します。エアコンの温度設定を高めにできるため、省エネや電気代の節約につながるわけです。

家の形状で変わる遮熱塗料の効果
業者さんのカタログに、「屋根に遮熱塗料を塗ると、太陽光の反射率が上がり、屋根の表面温度の上昇を抑えることができます」といったような宣伝文句が載っていることがあります。

これは間違いではありませんが、直接の効果を求めるのは屋根の表面温度ではなく、室内温度への影響です。

実のところ、家は使用している素材や建物の形状によって、遮熱塗料の効果を発揮しやすい家と発揮しにくい家があります。

では、遮熱塗料を使って効果が発揮しやすい家とはどんな家なのか?
以下に4つの観点から見ていきましょう。

【金属屋根のお宅】
遮熱塗料が一番効果を発揮するのが金属屋根であり、金属屋根は屋根に使われる素材のうちで、表面が一番熱くなるので、遮熱塗料はその強みを発揮できます。

ところで、金属には「熱伝導率が他の屋根素材より優れている」「金属屋根は薄いので、表面の温度がすぐその裏に伝わる」といった特性があります。その結果、太陽光が当たった部分の熱が「速く」「無駄なく」裏側に伝わります。

ある実験の結果によりますと、金属屋根と同じ場所に置いたスレート屋根(熱伝導率が低い)との温度差は約10℃を超えていたものがあります。

こうした状況において、金属屋根に遮熱塗料を使うことにより、スレート屋根との温度差をかなり縮めることが可能になったことがありました。

【吹き抜けのあるお宅】
吹き抜けは屋根からの熱が伝わりやすく、暑くなりやすいといった特徴があります。こうした屋根に遮熱塗料を塗ることで、吹き抜けの暑さを軽減できますので、夏は涼しい建物とすることができます。

【3階建てのお宅】
温度は建物の高さが高くなるにつれ上昇しますので、高さが高い建物であればあるほど遮熱塗料の遮熱効果を発揮させることができます。

さて、3階建ての最上階はよく感じることですが、2階建ての最上階より暑いように感じます。その理由を探ってみると、以下のようなことが挙げられます。

・3階建ての斜め壁の部分には、特に日差しがよく当たる場合が多い

・3階建ての場合、屋根の軒先の出幅がない場合が多く、外壁にもすべて太陽光が当たってしまう

・3階建ての最上階は日がよく当たり、また天井が低い場合も多いので、暑さが部屋にすぐこもる

【外壁や屋根の色合いが濃いお家】
遮熱塗料は、外壁や屋根に黒や紺色等の濃いめの色を使っているお家で使われると、温度差を発揮することができ、今まで暑くて不快だったお家が、涼しく過ごしやすい建物に変化させることができます。

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