機械式駐車場受注での談合を公正取引員会が認定
19年ほど前に、都立高校の2年生がエレベーターに挟まれて死亡した事故を覚えていらっしゃるでしょうか。事故は2006年6月3日に発生しました。シンドラーエレベータ社製のエレベーターが扉を開いたまま急上昇し、降りようとした高校生が挟まれてしまったのです。当時の国土交通省事故対策委員会の調査報告によりますと、原因はブレーキ部品の摩耗で、ブレーキ内の摩擦材が十分に離れない状態で昇降し続けたため、ブレーキが利かなくなってしまったことです。東京都港区役所前には安全を誓う「安全の碑」が設置され、23日にその除幕式が開かれました。除幕式に出席された高校生の母親は、事故後、悲劇が繰り返されないようにと講演活動をされているとのことです。
しかし同様の事故は、その後も発生しています。今年1月には宮城県仙台市の共同住宅で、急にかごが上昇して、1名の方が負傷されています。かごが戸開走行した原因は、この事故機が「戸開走行保護装置」の設置義務付け前に設置されたエレベーターで、「戸開走行保護装置」が設置されていなかったことで、戸開走行したことを検知できず止めることができなかったことも一因となっています。
この「戸開走行保護装置」は、冒頭の事故が契機となって、2009年9月28日以降に設置するエレベーターには設置するように義務付けられました。一方で、それ以前に設置されたエレベーターには、「戸開走行保護装置」の追加での設置は義務づけられませんでした。しかし、既設エレベーターの安全性確保のために、国は「戸開走行保護装置」の積極的な周知普及に取り組んでいます。国土交通省からは3月18日に、エレベーターの所有者関係団体に対して、以下の書面による通知がなされました。
エレベーターの適切な維持管理と戸開走行防止について
エレベーターの更新時には、必ずエレベーターのメーカーから、この「戸開走行保護装置」の提案がなされます。あくまで設置は義務ですが、安全確保のために設置していただくようお願い致します。
宮城県仙台市内エレベーター事故調査報告書(概要)
詳細につきましては、国土交通省のホームページをご覧ください。
参考:昇降機等に係る事故調査報告書の公表について