管理業者管理者方式 住民への事前説明義務化
高知県のほとんどの分譲マンションは、穴吹コミュニティと穴吹ハウジングサービスに管理を委託しています。その他、委託している管理会社には大京アステージ(穴吹コミュニティの親会社)や東急コミュニティ、大和ライフリンク、地元の和管理システムがありますが、それはほんのわずかで上記2社でほとんど占められています。
以前のコラムで、マンション管理業協会の「マンション管理適正評価制度」の登録マンションの記事を紹介しましたが、今日時点での高知県の登録数は1件増えて9件です。この9件の登録マンションの管理を受託している管理会社は、穴吹コミュニティが6件、大京アステージ、大和ライフリンク、東急コミュニティがそれぞれ1件となっています。❝サーパス❞のブランドマンションを管理受託している穴吹コミュニティは6件ですが、❝アルファステイツ❞のブランドマンションを管理受託している穴吹ハウジングサービスは、今のところ登録なしです。
2024年12月5日のマンション管理新聞によりますと、11月20日時点でのマンション管理適正評価制度に登録しているマンションは全国で5549件あり、そのうちの444件を穴吹コミュニティが受託しており、ランキングは5番です。1番は大京アステージ(1070件)、2番は日本ハウズイング(867件)、3番は東急コミュニティ(776件)、4番は三井不動産レジデンシャルサービス(466件)となっており、その次に多いのが穴吹コミュニティです。受託組合数に占める割合では遠鉄アシストの31.1%に次ぐ2番で、21.5%となっており、5組合に1組合が登録していることになります。かたや穴吹ハウジングサービスの方は、穴吹コミュニティよりも受託組合数が多いのにもかかわらず全国で1件しか登録されていません。ちなみに穴吹ハウジングサービス受託組合数は3327組合で、穴吹コミュニティの受託組合数2060組合です。
マンション管理適正評価制度は★5つ~★ゼロの6段階で評価されており、★5つが、一番管理状況が良い評価となっています。穴吹コミュニティが受託している登録マンションを見てますと、★4つのマンションは268件で、大京アステージ、東急コミュニティ、日本ハウズイングに続いて4番目に多いのですが、★5つは17番目(11件)で登録数の割には非常に少ないです。高知県の登録マンションを見ても、★5つが1件、★4つが4件、★2つが1件です。
マンション管理適正評価制度は以下の5項目で評価され、90点以上をとれば★5つもらえます。
1.管理体制関係(20点満点)
2.建築・設備関係(20点満点)
3.管理組合収支関係(40点満点)
4.耐震診断関係(10点満点)
5.生活関連(10点満点)
マンション管理適正評価制度についてパンフレット
見ていただくとわかりますように、管理組合収支関係が40点満点ですので、この項目で点数をとれませんと90点以上が難しくなります。この項目では、管理費会計及び修繕積立金会計の収支が健全かどうか、滞納管理費等への対策がなされているか、長期修繕計画とともに資金計画が適正に計画されているかが評価対象となっています。
つまり、穴吹コミュニティが管理しているマンションで★4つが多く、★5つが少ないということは、他の管理会社が受託している登録マンションと比較して、この管理組合収支関係で点数が取れていないということになり、会計が健全になるように、適正な資金計画が作成できるように、支援、助言ができていないということです。
かたや穴吹ハウジングサービスの方ですが、登録数が全国で1件、高知県でゼロということは、会社としてマンション管理適正評価制度の登録に積極的でないのか、または申請しても★5つや★4つを取得できるマンションがないから申請していないのか。もしそうであれば、★5つ、★4つを取れるような管理を管理組合様に是非提供していただきたいと思います。
今後、加速をつけて登録数が増加していくと思われますので、不動産取引サイトに掲載されるマンションでは、評価されているマンションと、そうでないマンションとで差別化される時代は近々に必ず訪れます。つまり、評価されていないマンションは売りに出しても売れないということです。資産価値が低いということです。
管理会社から、「マンション管理適正評価制度」や国の「管理計画認定制度」について説明がない場合には、是非、担当者に説明してもらうように言って下さい。それでも説明がないようでしたら、当事務所までご連絡下さい。説明させていただきます。