配偶者の方が理事(理事長)に就任
理事会では、月次収支の確認や建物点検及び設備メンテナンスの報告内容の確認、その他修繕箇所の検討等、マンションの関する課題が検討されています。私も出席して管理組合役員様と一緒に検討していますが、その中で、居住者様から理事会にご意見を出される「騒音問題」に関することが結構多いです。
マンションの騒音は、基本的には「個人間トラブル」ですので、建物の維持管理を目的として結成された管理組合(理事会)が主体となって解決すべき問題ではありません。
しかし、マンション標準管理規約第32条十二項では、管理組合の業務として「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」が挙げられていますので、複数の住戸が被害を訴えているような状況であれば、理事会が対応しなければならない場合もあります。
大阪府が、「生活騒音」に関するアンケートを令和5年10月23日から10月30日にかけて実施しました。マンション(分譲・賃貸)だけでなく戸建ても調査対象としたアンケートで、その結果が公表されていましたので、管理組合様にも役立つと思われますので、大まかな内容をお伝えしたいと思います。
このアンケートに回答していただいた居住形態は、分譲マンションと賃貸マンションがそれぞれ35%、1戸建てが30%で、住居の築年数は半数近くが11年~30年でした。
アンケートの質問の「生活騒音」は、以下の㋐から㋜の騒音についてです。
㋐ テレビ・ステレオ・ホームカラオケの音
㋑ エアコンの室外機・給湯機の音
㋒ 風呂の排水音・トイレの流水音
㋽ 廊下や階段の音
㋔ 足音・物音
㋕ ドアの開閉音
㋖ ピアノなどの楽器の音
㋗ 犬などのペットの鳴き声
㋘ 人の話し声・さわぎ声・泣き声など
㋙ 集会・行事のさわぎ声
㋚ ご近所の自動車・バイクの空ふかし音
㋛ ふとんをたたく音
㋜ その他
上記の「生活騒音」について、それぞれ、
①気にならない
②耐えがたい程度ではないが気になる
③耐えがたい程迷惑である
の3つから1つ選択してもらう質問では、㋔の「足音・物音」、㋘の「人の話し声・さわぎ声・泣き声など」、㋚の「ご近所の自動車・バイクの空ふかし音」についてだけが、約半数以上の方が②と③に回答されており、気にされている又は迷惑と感じられています。そして、最も迷惑と感じている生活騒音は、1番が㋚の「ご近所の自動車・バイクの空ふかし音」、次に㋘の「人の話し声・さわぎ声・泣き声など」、3番目が㋔の「足音・物音」でした。マンションでの騒音問題で多いのも、㋘の「人の話し声・さわぎ声・泣き声など」と㋔の「足音・物音」ですので、調査結果と一致しています。気になる時間帯については、ほとんどの生活騒音で多かったのが夜間の18時~23時で、予想通りの結果だと思います。
次に、それらの生活騒音で迷惑を受けた時に、実際に行った対応で一番多かったのが「耳栓やヘッドホンをつけて防音」で、次に「管理会社に対応してもらう」、「音を出している相手に直接苦情を言う」とつづきます。しかし、対応した結果はどうだったかの質問では、変わらなかったが半数を占めています。
騒音問題を避けるには住民同士のコミュニケーションが重要であるとよく言われますが、
それについても質問されており、日頃から近隣住民とコミュニケーションをとっていますかの問いに対して、一番多かったのが「挨拶をする程度」で55.8%を占めていました。
そして最後に、生活騒音についてのイメージについて質問されており、抜きでて多かったのが、「集合住宅である以上、近隣の生活音は必ず聞こえる」と「生活騒音は、音を出す側の節度が大切である」でした。
以上が、大まかな概要ですが、調査報告書では、性別、年齢別にも集計していますので、
ご興味のある方は、以下の大阪府ホームページでご覧いただければと思います。
大阪府政策マーケティング・リサーチ2023