管理費等の調査レポート(2023東京カンテイ)
本日(2023.10.08)の日本経済新聞に、修繕積立金の値上げ幅を抑制するため国土交通省が指針を改めるとの記事が掲載されていました。
今回の指針の改めは、長期修繕計画の見直しによる修繕積立金の値上げ幅が大きすぎて、合意形成ができずに総会の値上げ承認が可決されない、結果、資金不足で適切に修繕工事が実施できない事例が増えてきたことによります。
私が長期修繕計画と修繕積立金の見直しをお手伝いさせていただいたマンションでも、管理会社や設計事務所から提示された長期修繕計画書による修繕積立金の値上げ幅はほとんどが現状の3倍前後です。そこで、大規模修繕工事等の多額を要する修繕工事の実施時期を遅らせたり、各工事金額の見直し、必要最低額の借入れなどをする計画にするのですが、それでも何とか2倍前後の値上げ幅に収めるのが精いっぱいです。
今回、指針の見直しを行い、管理計画認定制度の基準も見直すとしていますが、大幅な値上げをせざるを得ない状況を生み出した大きな要因は、分譲時に「段階増額積立方式」による修繕積立金の徴収方法を導入していることです。この事は、本日の記事からも国土交通省も認識していることがわかります。
国土交通省は、従来から「段階増額積立方式」ではなく「均等積立方式」を推奨し続けていますが、今なお、分譲時に「段階増額積立方式」が導入されています。全ての新築マンションで導入されていると言っても構わないでしょう。上記図では分譲時1万円となっていますが、現実は5千円~7千円がほとんどだと思います。
もうそろそろ、新築マンションに「均等積立方式」の導入を義務化すべきだと思いますし、管理計画認定制度においても、「段階増額積立方式」のマンションは認定しないようにすべきです。見直しを図るのは、「均等積立方式」の導入義務化、この一点であり、是非検討していただきたいと思います。
日本経済新聞の記事はこちらからご覧ください。
マンション修繕積立金、引き上げ幅抑制 国交省が指針