沈下事故が全国平均の約3倍!?
BCP対策(Business continuity planning)
とは、事業継続計画の意味です。
震災後、私たちへの問い合わせが増えた業務として
井戸設置工事と沈下修正工事があります。
震災後、間違いなくライフラインは断絶します。
その時、一番に必要になるもの、それは「命の水」でしょう。
そこで今回は、井戸設置工事をご紹介します。
井戸の掘削の事を[さく井(せい)工事]といいます。
漢字では「鑿井」と書きますが、難しいので省略される事が多いです。
東北大震災以降、住宅や社屋、病院等の新築時のさく井工事や
既存建物敷地内への井戸設置依頼が増えております。
井戸の種類としては大きく、浅井戸と深井戸があります。その特徴としては
①浅井戸
日本旧来の丸井戸のように、雨水や汚水等の地上の影響を受けやすい表層から
掘り進んで最初に到達した滞水層で地下水を汲み上げる井戸です。
②深井戸
表層からの汚染物質を遮へいする効果を持つ不透水層のさらに下層の被圧帯水層まで
掘り下げた構造の井戸です。比較的良質の水が得られ、水量が安定しています。
さく井工法としては、大きく3種類あります。その特徴は
①掘井戸(丸井戸・ガワ井戸)
人力により掘削し側面を石積みや、ガワ (コンクリート製の円筒)等により
補強しながら地下水面に達するまで掘削する工法で、比較的浅い井戸です。
②打ち込み井戸(打ち抜き井戸)
文字通り鋼管を地中に直接打ち込む工法です。比較的地盤が軟らかい場合に可能です。
しかし、水量が少ない場合には汲み上げ出来ない事もあります
③ボーリング井戸(ロータリー工法、エアハンマー工法、ダウンザホール工法等)
ボーリングマシン等の掘削機を使用して地盤を掘削する工法で、比較的深い井戸です。
不透水層以深では、雨等の影響により水が濁ることが少ないのが特徴です。
深々度までの掘削可能で、小口径から大口径まで幅広い施工が可能です。
以上、地域特性や必要な水量等により工法は使い分けますが、弊社では
③のボーリング井戸を推奨しています。
地質調査としての標準貫入試験後の試験孔を使用する事も可能です。
また設置後には、井戸洗浄を行った上で
揚水試験や
水質検査を行い、
その性能を確認しています。
水質によっては浄水器や除菌器、ろ過材等が必要になる場合があります。
災害対策実例(高知市内)
あるお施主様は、自宅の新築時に井戸を新しく設置されました。
地下水が浅い事から、浅井戸としたので飲料用には不適格でした。
ですから、普段は庭の水やりなどの雑用水として利用しています。
しかし、本当は震災後に利用できるようにとの目的で設置しており
屋外物置には、ポンプ電源用の発電機とカセットコンロ、鍋を格納しており
震災後には、鍋で煮沸して当面の飲用として自給する計画だそうです。