金利が上がる時代に入った今、見直すべきお金のこと

最近「資産運用を始めたい」という声をよく聞くようになりました。実際にマネーセミナーへ足を運ぶ方も増えていますが、終わってみれば最後は高額な積立保険を勧められた…「これって本当に私に合ってるんですか?」といった相談も実は結構あるんですね。加えて、直近では自民党総裁が高市さんに変わったことで株価が急上昇したというニュースもあり、投資や資産形成に関心を持つきっかけはますます広がっています。
ただその一方で「運用に興味はあるけど、正直よく分からない」という声が多いのも事実です。そこで今回は、資産運用の基本中の基本ともいえる「株価はなぜ右肩上がりになるのか」というしくみについてお話したいと思います。
短期では波がある、でも長期では成長傾向に
まず知っておいていただきたいのは、株価は短期的には大きく上下するということです。ニュースでも「株価が急落」と聞くと不安になりますし、リーマンショックやコロナのように、一時的に大きく下がる局面もありました。
ただ、10年、20年という長い目で振り返ると、世界の株価は成長を続けてきたのも事実です。細かい波はあっても、全体の流れを見ると右肩上がり。これは偶然ではなく、人や企業が成長を求め続ける“経済の流れ”があるからなんですね。
株価が右肩上がりになる3つの理由
1つ目は「インフレ」です。
20年ほど前はランチが500円で食べられるお店も多かったのに、今では1000円前後が当たり前になっています。モノやサービスの価格が上がれば、その分お店や企業の売上も自然に伸びていきます。売上があがれば、利益も増えやすく、利益が増えれば株価も上がっていく――とてもシンプルな仕組みです。
2つ目は「人間の欲求と企業の成長」です。
スマホを例にすると分かりやすいと思います。10年前は「電話とメールができれば十分」だったのに、今は「高画質カメラ」「キャッシュレス決済」「健康管理」まで備わっています。私自身もつい先日、カメラの性能が良くなったということでiphoneを新しく買い替えました。息子がまだ写真を撮らせてくれる間は、少しでもいい画質で残したい!という親バカ心からです(笑)。こうした「もっと便利に」「もっときれいに」という私たちの欲求がある限り、企業は新しい商品やサービスを作り続け、その成長が株価の上昇につながります。
3つ目は「世界全体での需要拡大」です。
日本は人口が減少していますが、世界に目を向けるとインドやアフリカなど人口が増えている国がたくさんあります。「マクドナルドを食べたい」「車に乗りたい」という人が増えれば、その企業の売上はさらに伸びていきます。だからこそ、世界全体で株式市場を見ると、長期的には右肩上がりになりやすいのです。
王道は“世界経済の成長にコツコツ乗ること”
ここまで見てきたように、株価が右肩上がりになるのには理由があります。もちろん短期的には上がったり下がったりを繰り返しますが、長期で見れば経済は成長し、株価もそれに合わせて伸びていく傾向があります。
だからこそ資産運用で大切なのは、特別なテクニックではなく「世界経済の成長にコツコツと乗っていくこと」だと思います。商品ありきで始めるのではなく、自分の目的に合わせて、NISAやiDeCoといった制度を活用しながら積み立てを続ける。これが王道であり、遠回りのようで一番の近道なんですね。
株価が右肩上がりになるしくみを理解しているかどうかで、運用への不安は大きく変わります。「長期的には経済は成長する」という土台を知ったうえで、自分に合った形で少しずつ積み立てていく。――それが資産運用の第一歩だと、私は思います。
そして最後にもう一つ。マネーセミナーなどで、提案に少しでも疑問や違和感を覚えた時は立ち止まってください。たぶん、あなたの直感は当たっていることが多いと思います。それは私の提案にも当てはまります。
あなたの大切な資産ですから、しっかり納得できる形で育てていきましょう。



