「高台のお家」の火災保険、水災はつける?はずす?

火災保険の更新案内を見て「えっ、こんなに高くなるの?」と驚かれる方が本当に増えています。特に築年数が古い建物では、「10年前の倍近くになって困った」という声も少なくありません。
実際、西山もお客様に更新のご案内をするたびに、正直ちょっと心が苦しくなります(苦笑)。それくらい保険料の値上がりが大きく、皆さんにとって負担になっているのを肌で感じているからです。
なぜこんなに上がったのかというと、近年の自然災害の増加や再保険料の高騰といった世界的な要因に加えて、かつては最長36年契約が可能だったものが、現在は最長5年契約となり、長期割引が小さくなったことも背景にあります。つまり、誰にでも起こり得る“全体的な値上げ”なんですね。
ただ、だからといって「仕方ない」で終わらせるのはもったいないところです。少し工夫をすることで、保険料の負担を抑えながら、必要な補償はしっかり残すことができます。
ここでは、見直しのポイントを3つご紹介します。
① 保険金額の見直し
火災保険は基本的に「時価」ではなく「新価(=同じものを新しく建て直すときの価格)」を基準に契約するのが一般的です。建物が古い場合などには「時価」で契約するケースもありますが、現在は新価契約が主流となっています。
10年前や5年前からの更新の場合、同じ条件で見積もりをしても建築費の上昇などを理由に保険金額が引き上げられているケースがよく見られます。もちろん「再建築にはそのくらいかかる」という根拠はあるのですが、必ずしもその額で契約しなければならないわけではありません。
大切なのは、万一全損になった場合に「いくらの補償が必要か」を自分自身で考えることです。建物だけでなく家財も含めて、本当に必要な金額を改めて検討することで、ケースによっては保険料を抑えられる可能性があります。
② 必要な保障内容の見直し
火災保険は「火事のときだけ」のものではなく、実際には 風災・水災・いたずら・水漏れ・破損事故 など、幅広い補償が付帯していることがほとんどです。この中で必要性の低い補償を外すことで、保険料を削減できる可能性があります。
特に大きなウェイトを占めるのは風災・水災・地震といった自然災害の補償です。外せば大きく保険料が下がることもありますが、その分リスクは高まります。ハザードマップや地域特性をふまえた検討が重要です。例えば、高台にあって水害リスクが低い地域では、水災補償を外す方も一定数いらっしゃいます。
一方で、少しでも可能性があるなら残しておく方が安心です。安さだけで判断せず、「削る補償」「残す補償」をきちんと見極めることが大切です。
③ 保険会社の見直し
火災保険は、生命保険ほど会社間で大きな差があるわけではありません。ただし、保険料や補償の付け外しの自由度には違いがあります。せっかく補償内容を見直すのであれば、他社の見積もりも確認してみることをおすすめします。
実際に複数社を比較すると「こんなに違うんだ」と驚かれることもあり、相談してよかったと喜ばれるケースも少なくありません。特に、代理店を通じて複数社の見積もりを一度に取り寄せられると、納得感はぐっと高まります。
まとめ
火災保険の保険料が上がるのは、自然災害や社会の状況を踏まえれば避けられない流れです。ですが、「保険金額」「保障内容」「保険会社」の3つを見直すことで、無駄を省きながら安心を残すことは可能です。
更新案内を見て不安になったときこそ、見直しのチャンス。ご自身やご家族の生活に合わせた最適な形を、ぜひ一度検討してみてください。



