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書類の電子化について思った事

2023年9月20日

テーマ:紙情報の電子化

コラムカテゴリ:ビジネス

HPにもありますが、私は2013年から「積善会」という細木病院様のMS(メディカルサービス)法人で働いていました。それで2年目から社長に就任したのですが、当たり前ですがその会社で一番社歴が短いのが私でした。

当然私以外の社員の方がお客様とのつながりも深いし、実際お客様との打ち合わせに私が出席しようがしまいが、大した影響はありませんでした。
そして、社内的な仕組みも先代の社長が整然とした形に構築していて、通常の業務では私の出番はあまりありませんでした。

それで自然な流れで私が考えたのが、「自分にできることをやろう」でした。まあ元からいた社員は私がIT企業出身ということで、そういうことを予想していたとは思いますが…
その時思いついたのが、「紙による情報共有の撲滅運動」です。

そしてその活動の一環で、社内で「紙」として印刷された書類が、FAXを含めどの程度あるのかをリストアップしました。

その結果納品書、請求書以外に、受発注や取引先への提出レポートなど9種類の書類があることが分かりました。
(実は9種類でも提出先の施設が異なるとフォーマットが変わるので、フォーマットで分けるとさらに細かくなりますが、その文書の目的で分類すると9種類という事です)

それで、それらがどのように取り扱われているか、それらを電子化できるかについて正社員の方1名、補助のパート社員の方1名の3名で議論しました。

もうだいぶ前の事にはなるのですが、そこで感じた事を書きます。

1.主体性を持つこと

 この2人は私と一緒に働いているので、当然私の性癖(紙を無くし電子化するという意味です。念のため)は嫌というほど知っています。それでもそれまでは自分から、業務を電子化したいという提案はありませんでした。

ですが、私は、これはごく普通の事だと思います。なぜなら現場の担当者は目の前の仕事に忙しく、一歩下がって(あるいは一段高い所から)自分の業務を見直すことは、かなり困難な事なのです。それに単純に社長である私には声をかけづらいというのもあると思います。

ですからこれこそがマネージャーの仕事なわけですが、田舎の中小企業だと、マネージャーとかではなく、それがそのまま社長の役割になります。なにせ、「誰かにさせたい」と思ってもその誰かがいないのが中小企業です。ここは経験のある自分がやるしかありません。

それともちろん、経験が重要です。やはり人間は「経験の生き物」ですので、いくら「電子化」といっても本人に「電子化」の経験が無いと、初めからどうしていいかなんて思いつきません。

ですので、ここはその経験と権限を持つ社長(私)の役割でもあるわけです。
ということで、やはり事務所内の業務効率化は、最初から最後まで社長の自分が主体的に取り組まなければと思いました。

2.自分も勉強を怠らない
ですが、世の中の流れはとても早く、毎日いろいろな製品が出てきます。最近までできなかった事が、テクノロジーの力でいつの間にかできるようになっていることも普通です。
ですので、いくら昔「コンピューターシステムやってました」といっても、実際に新しいテクノロジーを見たり、あるいはそれを試してみない事にはその技術に対する、「感覚」が
磨かれません。

それでは、自分の存在意味がなくなってしまうし、社内で一番時間的に余裕があるのも(要するに暇という…)自分なので。

3.優先順位を設ける
それでいざ話を始めると、「実は…」となり、2人から言われたのが、「一番時間のかかるのが、納品書と請求書の突合せチェックと、会計システムへの入力です。」でした。

その当時会社は月に約250枚の請求書と同数の納品書を受け取り、それをチェックし会計システムに入力するのに2人がかりで2日間かかっていました。実際にその業務にあたっている2人の言葉から、その業務のしんどさが伝わってきました。

そしてその時「ああ、やはりここをまずつぶさなきゃ」と感じました。なぜなら、「とにかくIT化は自分の仕事を楽にしてくれるのだ」と担当者に感じてもらう事こそが必要で、一旦担当者レベルでその経験をしてもらうと、その後の協力も得やすくなるからです。

4.言い続けることの大事さ
何でもそうですが、人間の意志を伝えるのは1回では到底無理で、定期的に何度も繰り返し、言い続けることが大事だと感じました。また、言い続けることで、社員にもこちらの熱意を感じ取ってもらい、「電子化による効率化」の意識を共有してもらえると感じました。

この記事を書いたプロ

柳井康伸

ITに関する豊富なノウハウをもとに業務効率化を支援するプロ

柳井康伸(Digi&Dev 合同会社)

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