IT化プロジェクトで私が気をつけている事(出力編)
始めに私の東京でのSE生活がどんな状況だったかをお話しします。
約30年の東京でのSE生活でしたが、その間ほとんどエンド・ユーザーの方とお話しする機会はありませんでした。
色々な会社のプロジェクトに参加しましたが、ほとんどはシステム部門の担当者、及びマネージャーの方々とのお話しです。そのころはそれが当たり前だったわけですが、重要な点はお客様の皆様がシステム部門の方だったという事です。
皆様普段から、そういう仕事をされておられたので、今思うとITについての基本的な言葉、考え方、そして問題意識を共有していました。
しかも外資系の会社でしたので、日本語の中にカタカナ英語をふんだんに混ぜて相手と会話していました。今考えると、「…」という感じですが、お客様もしょっちゅうお会いしていたので、慣れていてとにかくそんな会話をしていたのです。
それが、こちらに戻ってきてITの話をする相手は、ほぼ100%現場で日々業務を担当されています。
地方の医療現場・業務の現場では年配の方も多く、ずっと紙の記録用紙で仕事を回してきたような方に、いきなりIT用語をしゃべっても、その方達からすると何を言っているのか分からないわけです。
ですので、まず気をつけようと思ったのは、「相手に通じる日本語をしゃべろう」でした。例えば、画面上の保管ボタンを押すと、その内容が登録されるという話をする時に、「レコードが登録されます」と言うと、相手は混乱する可能性があるので、「今新しいまっさらの記録用紙に内容を書きこんだ状態となります」という説明にするといった具合です。
二番目は「雑談をいれよう」でした。個人的には「笑顔」が大事なのは分かっているつもりですが、性格上笑いながらしゃべるのが苦手なので、相手にしゃべってもらうために、会話に雑談を挟んで、相手にリラックスしてもらい少しでも会話がぎくしゃくしないようにと思いました。
2013年に高知に戻り、これから仕事を始めようとしたときに、まず自分にこの2点を言い聞かせましたが、最初はそれでもこの2つもあまりうまくいかず、会話の後で「なんか今の、我ながら仏頂面で相手も話しにくそうだったな」と思う事も何度もありました。
今これがうまくできているかどうかは分かりませんが、マシにはなっているんじゃないかとは思います。