石屋さんの創造力?想像力?
川崎登戸の町石屋、吉澤石材店の吉澤です。
先の台風24号の被害を受けたお墓がけっこうあります。重い石を使ったお墓ですが、状況によっては強風の影響を受けてしまうことがあるのです。
相談を受け、今日様子を確認してきたお墓では…
塔婆立てが後ろ側にひっくり返っていました。二軒続きのお墓なので、両側の家のお墓が被害を受けました。
御影石製の外柵は、お施主様の話によると昭和34年ころに作られたものだそうです。そろそろ60年を迎えようかという外柵でした。
倒れながらも隣同士の石はバラバラになっていません。石(茨城の稲田石)自体はしっかりとしています。ただ、土台部分との間のモルタルが傷んでいたようですね。
数多く立てられていた塔婆がまともに強風をうけ、その負担に耐えられなかったものと思われます。
このままにしておいては危ないので、とりあえず部材をバラして仮置きをしてきました。手が空いてからの再据付けになります。
時代が下ってからの施工では、塔婆立ての下側にほぞを設けたり、穴加工して芯棒を入れるなどの補強をしていることがほとんどです。なのでここまで派手に倒れてしまうことはあまりないとは思いますが…。
しかしながら、お墓もまるっきりメンテナンスフリーというわけではありません。
状況には寄りますが、傷みがきている部材があっても不思議ではないと思います。
お墓を訪れる機会に、墓誌や墓前灯篭のガタつき具合や塔婆立てがグラグラしてはいないかなどを、注意深く確認してみてはいかがでしょうか。
お墓がダメージを被る前に、未然に防げることもあると思います。
立ち木が倒れることで、とんだ被害に遭うことも
なお、お墓自体が問題なくとも、立ち木などが倒れることでお墓が大きな被害を受けるケースもあります。
この画像は桜の木が倒れ、石塔の棹石を倒されてしまったお墓の様子です。不可抗力とはいえ本当に悲しいです。
外見からはわからずとも、弱っている木もあったりするから厄介ですね。
こちらのお墓の場合、個人で管理している木ではありません。簡単に防ぎようもないですし、こうした場合はどうしようもない部分もあるのかもしれません。
ただ、昨今の気象などを鑑みるに、今後はこうしたこともありえるのかなと感じたので、コラムに記してみました。