60代から始める相続の為の境界確定測量
こんにちは
土地家屋調査士の関太郎です。
相続土地国庫帰属に関して、既に多数の相談が
出されているとの記事を拝見しました。
(→記事はこちら)
何でも3か月で相談が6500件に達したとの事。
この数は凄まじい。
制度に関する関心の高さをうかがい知ることが出来ます。
特に私が住んでいる横浜市のような地域では、
丘陵地が多く、山林の崖下まで宅地が開発されており、
山林管理に関する問題が頻発しています。
例えば、山林の枝葉が住宅の屋根を覆ったり、
落ち葉が雨樋の機能を妨げるといったケースがあります。
その場合、宅地の所有者と山林の所有者の間で
伐採をどうするかという問題が発生します。
伐採の為に大掛かりな車両が入ることが出来ず、
その費用が極めて高額になるケースがあります。
昨今の頻発する大雨の問題もあります。
昨年も中区や保土ヶ谷区で土砂災害の事故は発生しており、
被害が発生した時に、
山林の所有者に責任があるのかという問題に直面します。
山林の所有者は不安を感じていると思います。
以前聞いた話では、山林所有者が山林を手放したい為に、
近くの宅地を無償に近い価格で山林と抱き合わせて
売り出したという話を聞いたことがあります。
私のような、土地家屋調査士は、このような都市の
山林問題に直に接する事が多く、こうしたトラブルの
多さを痛感しています。
都市山林の放棄という趣旨から、多数の申請がなされる
ことが予想されます。
しかし、この制度を利用するには、境界の確定測量が
必要とされ、山林の測量となると高額な費用がかかります。
さらに、帰属に関する負担金も発生します。
国庫帰属には、多額の費用が必要というのが現状です。
相続放棄ができずに、幽霊土地化していく問題を解消
するという制度の主旨を考えると、帰属条件を緩和して
は?という思いが頭を過ります。
一方で、これほど多くの相談が寄せられているという事実
から、一定の条件を課さないと対応が追いつかなくなると
いう事態も予測されます。
今後、この制度の運用状況に注目していきたいと思います。
ちなみに、相続土地国庫帰属申請の申請代理人になれる
のは、弁護士、司法書士、または行政書士です。
私のような土地家屋調査士は、申請書に添付する図面の
作成に関与します。
この制度についてのご質問や不明点がありましたら、
お気軽にお問い合わせください。