新型コロナウィルスに負けないための心のケアについて
今年のNHKの大河ドラマは
「どうする家康」。
昨年は鎌倉時代の話でしたが、
大河ドラマで人気を博すのはやはり歴史もの。
なぜ人はこんなにも歴史の人物に興味を持つのでしょう。
例えば織田信長が本能寺の変で亡くなることも、
徳川家康が江戸幕府を開くことも周知の事実です。
つまり「オチ」がわかっているにもかかわらず、
人は毎回飽きずに歴史劇をドキドキしながら観るわけです。
もちろん演じる役者の魅力も大きいですし、
結末を知っているからこそ
「安心」して観られるのかもしれません。
しかし私たちを惹きつける大きな魅力は
脚本家や監督の独自の切り口や解釈、
「味付け」なのではないでしょうか。
例えば「どうする家康」では
大将軍の徳川家康を
迷い悩んで失敗を繰り返す人物像
として描いているようです。
3年前の「麒麟がくる」では
普段は悪役として見られがちな明智光秀が
ヒーロー役となって話題を呼びました。
史実はたしかにあるものの
過去にさかのぼって
実在の人物に会うことはできません。
時代考証の専門家の話や、本を読んだりしながらも
ドラマの人物像を練り上げるのは
今に生きる脚本家や監督であり
ある意味ではいくらでも人物の性格や考え方や行動などの
過去は作り変えられているとも言えます。
私たちの過去も同じように苦しかった時間や
絶望に近い感覚のトラウマも
違った光を当てれば、違った色に変わり、
一つの事実のとらえ方も
時が経てば
変化していくものなのかもしれません。
ただそれは相手から押しつけられたり
非難されるべき物ではなく
あくまでも自分の中で違った物へと
変化させたいという気持ちになれた場合で
時間がとてもかかる場合もあるとは思います。
自分の切り口一つで
そして、それは時と共に
嫌な経験と決めつけていたものが
良い思い出に変わることもあり得るのかもしれません。
過去の見方を変えることが
今をより良く生きるために役立つなら
自ら別の脚本を書いて違う作品にしてしまう。
それがカウンセリングで行う
認知行動療法の1つでもあるように思います。
そうすると、
悲劇が喜劇に変わる時が訪れる場合もあります。
それがまさに大河ドラマ「どうする家康」のように
あの大変な時代を喜劇の時代へと
変化させていくテクニックなのかもしれないと
毎週、日曜日は考えさせられる私なのでした…