夏休み明けの新学期(スタッフ)
初回カウンセリングを終え、ご夫婦それぞれの課題を持ち帰り
二週間経過した後、継続カウンセリングにいらしたあるご夫婦。
前回の初回は90分間で、30分ずつお互いの話をお聞きして
残りのお時間をご夫婦とカウンセラーの三者で話し合いました。
今回は前回に続き前向きな問題解決のため、
向き合いながら冷静に話すため広いリビングの部屋で90分間、
三者で話し合いをされていました。
その場合、スタッフは隣の部屋で扉を閉めて
事務仕事をしています。
話の内容が耳に入ってくることがあるので
その時のお話を少しさせていただきます。
※ただし、守秘義務がありますので
多少話を変えて特定ができないように
書かせていただいております。
そのご夫婦は共働きで
問題解決のための話し合いの途中、
共働きであるのに家事も育児も
ほとんどワンオペでこなされている奥さまが
そこに反省もなければ、協力しようともあまりしていないのに
少し家事をしただけで「オレだってしている」と言い出した夫に対して
もう限界、と奥さまの感情がヒートアップしていました。
また、過去にされた妻からの気遣いのない言動が許せず、
発端は妻の方にあり、妻が改め行動を変えるべきと
「あの時におまえが…」とご主人も声を荒げます。
どちらも自分は悪くないと主張。
相手に非がある、相手に行動を変えるよう求める
気持ちのぶつけ合い合戦がはじまりました。
複雑化した関係性となってしまった二人の
感情のぶつかり合いは鋭いほどの緊張感を
周りに感じさせるので隣の部屋までピリピリと伝わってきます。
カウンセリング中、
ご夫婦が大声で言い争いになってしまうのは珍しくないのですが、
こんな時、カウンセラーの椎名先生は
お二人の話に耳を傾けながらも
冷静に絶妙なタイミングを見計らい
「この辺で、少しお話切り替えましょう。ケンカになっちゃうのでね。」と
ご夫婦の激しい感情を先生がコントロールしながら
ズレはじめた二人を話し合いの本来の目的である原点に
ピシッと引き戻していきます。
カウンセリングでカウンセラーは
第三者の立場からお互いの意見を聞き入れ、
どちらかの味方をするとか、
どちらが良い悪いを決めるのではなく
たくさんある選択肢の中からそのご夫婦に合った
前向きなより良い方向性を一緒に探し、
今抱えている問題の解決に向けて話を進めていきます。
互いの高まる感情をカウンセラーが解きほぐしつつ
もっと夫婦間でわかり合えるように通訳係となり、
相手に対して心を開いていけるように伝え
感謝や相手を思いやる気持ちが再び芽生えるよう必要な
物の見方や対処法などもアドバイスされていきます。
カウンセリング中、お二人が考え方のズレを認識し合い
心の距離感が少しずつ縮まってくると、
当初張り詰めていた空気が少しずつ穏やかになっていくのが
隣の部屋にいても伝わってくるのです。
カウンセラーはいつも平常心を保ちクライアント様に寄り添い、
新しい選択や対処法を常に提供しています。
クライアント様の中でもご夫婦が
これから向かう方向性を一緒に確認できることで
今お互いがやるべきことがはっきりと見えてくるので
迷いながらもまず一歩進んでやってみようという気持ちに
切り替えられるのだと思います。
カウンセラーという第三者のプロの通訳が入ることで
こんなにも場の雰囲気が変わるものかと
不思議な力を感じずにはいられませんでした。
以上、ある日のカウンセリングで感じたことでした。
文:スタッフroko
代表:椎名 あつ子