良かれと思って(スタッフ)
みなさんは、おそらく幼い頃、
まだ物心もつかない頃から
家庭や幼稚園や保育園で
「あいさつをしましょう」と
言われてきたのではないでしょうか。
そのため、
あいさつをすることは常識であって
あいさつされたら
あいさつすることがマナーであると
認識していると思います。
けれど、小学生や中学生、
あるいは高校生、大学生、
大人になっても、
時々、あいさつをしない人がいると
思いませんか?
実は、「あいさつをしましょう」というのは
とても曖昧なもので
・いつ
・どんな場面で
・なぜ
・どんなあいさつを
・誰に
したらよいのか、
よくわからずに困っている人も
時々いるのです。
多くの方は
そういったことをとくに意識しなくても
自然とあいさつをしていると思います。
そんな方でも、
挨拶した方が良いのか迷う場面も
あるのではないでしょうか。
「あれ?今私にあいさつしたのかな?
人違いだったら恥ずかしいな・・・」
「あ、知っている人だ、
でも今あいさつに行ったらお邪魔かな?
気がつかないふりをしておいた方がいいかな?」
「あ、私は知っているけれど
相手は私のことを知らないかもしれないな・・・
あいさつした方がいいのかどうか、迷うな・・・。」
挨拶がうまくできていない人は、
こういった「挨拶した方が良いのか迷う」ことが
自然にできている人に比べて
遥かに多いということかもしれません。
以前、「おはよう」と声をかけても
返事をしない少年がいました。
けれど、ふとその子の名前を呼び掛けて
「○○くん、おはよう」と声をかけると
その少年は顔をあげて目を合わせて
元気のない小声ではありますが
「おはようございます」と応えたのです。
大人から見ると、
その場面はその少年しかおらず、
名前を呼ばずともその少年に挨拶したことが
わかるような場面だったのですが、
その少年にとっては、
判断しにくい場面だったようです。
これは一例ですが、
挨拶をしても無視される・・・という場合、
実は無視しているわけではなくて、
・自分に声をかけられていると思っていない
・自分に声をかけられたのかわからないから
返せない
・何かに集中していて(あるいは疲れていたり
眠かったりして)耳に入っていない
・恥ずかしくて声を出せない
・挨拶することに意味を感じない
・とくに用がないので声をかけない
・実は、どちらかの耳や
両耳が聞こえにくい(あるいは聞こえない)
など、実に様々な理由が
あることもあるのです。
その背景にはその人の特性や
育ってきた環境や関係性など
様々な影響が考えられますが、
悪気があって「無視」したわけではない場合も
多いのです。
「あいさつをしましょう」
「あいさつは大事です」
というだけで、
それにまつわる細かなことも
分かる人もいますが、
世の中には、それだけでは
分からない人もいるのだということを
知っていただければと思います。
分からないだけの場合は、
誰かに教わることで
できるようになる場合もあります。
思い切って、
「どうしてあいさつを返してくれないの?
無視されて悲しいんだけど」
と聞いてみるのも一つです。
人は、自分の名前は比較的耳に入りやすいので、
名前を呼び掛けて挨拶をすると
応えてくれる場合もあります。
相手の視界に入って
目があってから声をかけるというのもいいですね。
もし、あなたの周りに
あいさつを返さない人がいたら、
ちょっと観察してみて、
工夫して声をかけてみてください。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子