父、そして私と三日月の夜
庭のサルスベリが
今年も咲きません。
初夏~秋にかけて
長い間鮮やかな紅色の花を
咲かせるはずなのに。
毎日、庭に出て、
待ち続けて見ているのに、
咲くようには全く思えません。
サルスベリは
咲きたいと思っているのでしょうか。
それとも、まだ咲きたくないのでしょうか。
この場所の何かが
気に入らないのでしょうか。
葉は元気に茂っているのに
花だけが咲きません。
サルスベリの木を買った年の初夏には
かわいらしい紅色の花を
咲かせてくれて
ウキウキした気持ちになったのに。
昨年も今年も
見れていないのです。
あの頃と何が違ったのかと
考えてみました。
それは、私に余裕がなく、
あまり庭に出ていなかったのです。
ゆっくり庭を見渡すこともせず、
お水だけはあげていたのですが、
心がそこにはなかったのです。
花は正直なのかもしれません。
その姿は、ふと
夫婦の関係みたいだなと
思ったのでした。
最初は気にかけて、
よく見つめ合って
興味を持っていても
だんだん、現実の生活に追われて
相手の顔も様子も
気にしなくなる。
食事だけは用意するけれど・・・。
サルスベリは
悲しんでいるのでしょうか。
あきらめてしまったのでしょうか。
それとも、怒っているのでしょうか。
もう一度、
花を咲かせてくれませんか。
貴女をもう一度、
ちゃんと見つめてみるから。
もう、秋になろうとしている
今日この頃でした。