ミスを責めない(スタッフ)
先日、視覚障がいのある方と
一緒に歩くことがありました。
その方に私の肩をつかまってもらって
私が先導したのですが、
その際にいろいろ教わりました。
例えば、
階段のところで「階段がありますよ」と言う人がいるけれど、
登り階段なのか下り階段なのかを言ってくれないと困る。
同じく、段差や坂についても、上りか下りか教えてほしい。
だそうです
階段や段差や坂があることを
伝えた方がいいということまでは
気がついても、
上り下りが大事だということまでは
なかなか気がつかない人が多いそうです。
その方は、
「見えない気持ちになれば、
何を伝えたほうがいいのかわかる」と
言っていたのですが、
これは視覚障がいだからの話ではなく、
一般的な人間関係全てでも
同じことが言えると思いました。
例えば、
待ち合わせに遅れてしまう時、
「遅れます、ごめんなさい」と伝えるとします。
それだけだと、待っている側は
そのまま待っていた方が良いのか
先に行ったほうが良いのか
どのくらい待っていることになるのかなど
判断がつかないのです。
「○分くらい遅れます」と伝えてもらえると、
10分くらいなら待っているけれど
30分遅れるなら先に行っているなどの
判断ができるのです。
さらに、
「雨に濡れないように(あるいは暑いから)
どこかお店に入って待ってて」とか
「先に予約したお店に入ってて」とか
「かなり遅れそうなので先に乾杯していて」とか
相手の立場を考えたら
付け加えると良い言葉はたくさんあります。
けれど、相手の立場を考えるというのは
簡単なことではありません。
視覚障がいの方の世界を想像しきれないように、
自分とは異なる立場や考え方や年代の方の世界を
想像することはとても難しいことです。
ある人は、視覚障がいの世界を実際に体験してみるために
家の中で目をつぶって一日生活してみたそうです。
やってみたら、自分の家の中ですら
様々な困難にぶつかると思います。
外の世界に出たら、どれだけの困難にぶつかることか・・・。
私たちも、そうやって相手の生活をなぞってみることも
相手を理解する上で役に立つかもしれません。
例えば
子どもの気持ちになってみるために、
子どもの毎日の生活を細かくたどるために
観察したり聞いたりして、
大変なことや楽しかったことなどを
想像したり実際に聞いたりして、
同じ生活をしてみたら
どのくらい疲れるか大変か
どんな想いをしているのか
どんな声かけをすると勉強したくなくなるかなど
知ることができるかもしれません。
自分の子ども時代を振り返っても、
時代が違うので
(例えば携帯などなく、
SNSでの人間関係などありませんでしたよね)
ぜひ今のお子さん自身の生活をたどってみてください。
あるいは、奥さまやご主人や親御さんについて
なぞってみてください。
相手がどんな生活をしていて
どんな大変さがあって
どんなストレスがあって
どんな葛藤があって
どんな想いをしているのか。
想像してみるのも大切ですし、
相手に聞いてみるのもいいと思います。
お互いに理解して尊重して
労って支え合って
頼り合って癒し合う
そんな関係を目指していけたら、
素敵なことだなと思います。
想像しきれなかったとしても、
「想像してみること」それ自体が
とても大切なことのように思います。
相手を理解しようと心掛けてみると、
今までよりも相手に優しくなって
うまくいくようになるかもしれません。
これまでなぜだか
うまくいかなかったコミュニケーションが
少しずつ上手になるかもしれません。
このブログを読んでくださっているみなさんは、
ほとんどの方が見えていると思うので、
まずは相手の様子をよく見てみてほしいのです。
けれど、何をどんな風に見て、想像したらよいのか
わからない方も多いかもしれません。
そんな時は、よかったら
カウンセリングの中でお話してみてください。
カウンセラーが一緒に想像する
お手伝いができると思います。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子