子どものカウンセリング(スタッフ)
あなたの周りにこんな人はいませんか?
機嫌の悪さを露骨に態度で表す人。
あまり好まれない行動ですよね。
けれど、ただそれだけで終わらせずに
ちょっと掘り下げて見てみたいと思います。
たとえば、
いつもと違って
どうやら機嫌が悪いらしく
イライラした様子で
ピリピリしているAさんがいたとします。
その場にいる人たちのことを考えてみると、
ポジティブな面をあげるとすると、
機嫌が悪いことを示してくれているので、
「今はあまり刺激しないほうがいいな」
「余計なことを言わないようにしよう」
と周りが対処しやすいとも言えます。
全く態度に出ない人だと、
周りも気がつくことができないので
知らず知らずのうちに
地雷を踏んでしまうこともありますから、
わかりやすくしてくれることは
実は助かる面もあります。
けれど、やはりAさんがそうやって
機嫌の悪さを出していると、
一緒にいる人間は
あまりいい気持ちはしません。
一緒にいる人は、
「あれ?何か悪いことしたかな?」
「私が怒らせたのかな?」
といろいろと思い悩んだりします。
実際には全く関係のないことで
機嫌が悪いのであっても、
周囲の人は理由がわからないので
自分のせいでは?と
心を痛め、頭を悩ませてしまうかもしれません。
そうして気にする人がいるだけでなく
「なんでそんなに自分の感情で動くの?」
「あなたの不機嫌に周りが迷惑してるのに
気がつかないのかな」
「あなたのせいでこっちまで機嫌が悪くなってきちゃう」
など、Aさんに対して怒りが出てくる人も
いるかもしれません。
いろいろな感情が渦巻き、
なんとなく場の空気が
ピリピリしたりどんよりしたりします。
今度はAさんの行動について考えてみると、
感情を態度に出すということは、
自分では抱えきれない感情を
他の人に一緒に背負わせることでもあります。
Aさんが機嫌の悪い態度をしていると、
周囲の人間もAさんのイライラの影響を受けて
気分が悪くなったりもします。
もちろん、それが全て悪いわけではなく、
程度の問題もあると思います。
ちょっとずつお互いに分け合って支え合うことは、
同僚や仲間や家族や友人にとって
ごく当たり前の思いやりだと思います。
しかし、あまりにも一方的であったり、
相手に背負わせすぎたりしてしまうと、
人間関係がうまくいかなくなることも
あります。
とくに職場という場面では、
個人の感情を出すことが
あまり好まれない傾向にあります。
今度はAさんの立場から考えてみましょう。
一見ただ機嫌の悪い態度をとっているように見えても、
実は、Aさんとしても、
周りに迷惑をかけたくなくて、
なんとか表に出さないようにと
気持ちを落ち着けようと努力をして、
それでも抱えきれずにこぼれ出てしまっている
ということもあります。
Aさんなりには精一杯に気遣いしているかもしれません。
気持ちを表に出さないようにすることは
実はとても難しいことですし、
上手な人と苦手な人がいます。
気持ちの強さにもよりますよね。
まれに、抑える気のない人もいるかもしれませんが、
たいていの人は、なんとかしようとして
できなかった結果でもあります。
けれど、抑え込んで抑えきれずに
漏れ出てしまって
周囲に不快感をまき散らすよりも、
「ねぇ、聞いて、こんなことがあって
イライラしてるの!」
とストレートに愚痴を聞いてもらって、
その後はさっぱり気分を切り替える方が
良い時もあります。
グチってもグチが止まらなかったり、
切り替えられないと
それはそれで大変なのですが。
グチを聞いてもらったら
お礼を言って気分転換をして
楽しく過ごすことも大切ですね。
グチるだけで終わると、
聞いてくれた相手も
不快感が残ってしまいます。
「聞いてくれてありがとう!
おかげで気持ちの整理がついたよ。
今度おいしいスイーツでも食べに行こうね」
「あなたが何かあった時にも
聞くからね」
「いろいろ言っちゃったけど、
がんばるね!」
など、最後はポジティブに話を終わらせると
相手も聞いたかいがあったというものです。
自分の不快感だけに気をとられすぎないように、
周囲の人の不快感にも気を遣って
お互いにフォローし合えるのが
良い関係なのかな、と思いました。
ただ、あまり人には話せない話や
友だちに話すのは躊躇するような話も
ありますよね。
自分の中ではどうにもできないことを
話して整理したり、
客観的な意見を聞いたりしたい、
そんな時には、
ぜひプロに聞いてもらうことを
おすすめします。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子