ある日、突然(スタッフ)
先日、こんな話を聞きました。
最近の子どもは、
あまりテレビを観ないのだとか。
その理由が
「テレビは見たい時に
見たいところから始まらないから」
というのだそう。
最近の子どもは動画サイトで
動画やドラマや映画を観ることが多いようで、
動画サイトでは
自分の見たい時に見たいところから
CMもなく見られるのに、
テレビドラマは
その時間に見なくてはいけないし
CMもあるし
次週まで待たないと続きが見られない
ということらしいです。
見たいテレビドラマは
全て録画してCMを飛ばしながら
全話を自分のペースで見る
という話も聞いたことがあります。
そのため、CMというものを
ほとんど見ないと聞きました。
これを聞いてびっくりしました。
私にとっては、
見たいドラマが始まるのを楽しみにして
一日を過ごしたり、
次週続きが見られるまでに
家族や友人とドラマの内容について
思ったことを話したり
続きを予想したりして
わくわくして待ったり、
間のCMで様々なことを知ったり
その隙にトイレに行ったり
違うことをして過ごしたり、
どうしてもその時間に見られなければ
録画しておいて後で見る
といったスタイルが
当たり前になっています。
最近の子どもがテレビドラマを観ない話を聞いて、
ちょっと心配になったのは、
こうやってテレビの都合に合わせて
自分が折り合いをつけるという体験を
しなくても済んでいる、ということです。
たかがテレビドラマのことのようですが、
生きていれば
自分の都合ではなくて
相手の都合に合わせることは
必要不可欠なことです。
けれど、今はとても便利な世の中になって、
見たいものは動画サイトで見られますし
いつでもコンビニが開いていますし
年末年始でさえ休まないお店が多いですし
(この数年は少し休むところも増えてきましたが)
銀行や役所も今までよりも利用しやすいように
利用時間が増えていますし
ネットで買い物ができて早ければ翌日に届きます。
自分が望んだ時に望んだ物を手にできる環境が
かなり整ってしまっているのです。
それはとても便利なのですが、
便利になった分、
私たちの「待つ力」が弱ってしまったように感じます。
待つ力というのは、
単純に待つことができるか(苦痛でないか)
だけではなくて
待つ時間をどのように過ごすか
どう楽しむかということも含みます。
なんとなく、世の中全体的に
待つ力が弱くなって
みんなが忙しくなく慌ただしくなっていませんか。
待つのが当たり前だったことが
待たなくてもよくなるということは、
誰かの想いやいろいろな人の努力で成り立っている
素敵なことだと思うのですが、
その素敵な環境で
待つ力が弱くなってしまうのは
とても残念です。
ちょっと意識して
「待つ」ことを楽しんでみませんか。
待っている間に
いつもは通らない道を行って
知らないお店でお茶をしてみたり
初めてのお店屋さんをのぞいてみたり
誰かにお手紙を書いてみたり
お花を眺めてみたり
道行く人の楽しそうな姿や
険しい表情を見て
どうしたのかなと想像してみたり
何もしない時間をゆっくりぼんやり
過ごしてみるのもいいですよね。
反対に、ここぞとばかりに
勉強してみたり
クイズや脳トレをやってみるのもいいかもしれません。
私もこのところ
慌ただしくなってしまっていたので、
ゆっくりと待つ力を回復したいと思います。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子