銭湯の日
1897 年8 月20 日に、イギリスの医者ロナルド・ロス博士は
マラリアがメスのハマダラカ蚊に刺されることによって感染することを発見しました。
この業績によりロス博士は、1902 年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
この発見を記念して、毎年 8 月20 日には「世界蚊の日」として様々な取り組みが行われています。
●マラリア
マラリアはマラリア原虫という寄生虫によって引き起こされる疾患で、
マラリア原虫をもった蚊に刺されることで感染します。
マラリア原虫を持っているメスのハマダラカ(羽斑蚊)が
産卵のため人の体を刺して吸血する際、マラリア原虫が体内に侵入してマラリアに感染します。
人にマラリアを引き起こす原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、
四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、サルマラリア原虫の5種類ですが、
人間の命を最も脅かしているのが熱帯熱マラリア原虫と三日熱マラリア原虫です。
アフリカ大陸で多くみられるのが熱帯熱マラリア原虫で、
世界のマラリアに関連する死亡のほとんどがこの原虫によるものです。
サハラ以南アフリカ以外の地域のほとんどの国では三日熱マラリア原虫によるものが主流となっています。
日本では古くからマラリアは「おこり(瘧)」と呼ばれて、日本史上も平清盛をはじめ、
様々な人物がマラリアとみられる病気で亡くなっています。
明治から昭和初期には、全国でマラリアが流行しました。
明治期の北海道開拓のとき、多くの人の命を奪ったのはマラリアでした。
本州では琵琶湖のある滋賀を中心に、福井、石川、愛知、富山で発生しましたが、
福井では大正時代に毎年9000~2万2000人以上の患者が報告されました。
戦後もアジアから帰国した元兵士の間でマラリアは流行しました。
また、第二次世界大戦時には、マラリア発生地域への強制疎開によって多くの住民がマラリアで命をおとし、
「戦争マラリア」と呼ばれる痛ましい事態を引き起こしました。
戦後マラリアは全国で流行しましたが、徹底した予防・対策をとることで、死者数は激減、
1950年代にマラリアの流行は終息し、1963年の石垣島のマラリア終焉記念大会で
日本国内でのマラリア制圧が宣言されることになります。現在は国内での感染による発生はありません。
※Malaria No More Japan より 抜粋
詳しくは こちら → Malaria No More Japan