梨の日
政府広報オンラインより
③予防の原則
食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。
食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、
食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となります。
また、ウイルスの場合は、食品中では増えないので、「増やさない」は、当てはまりません。
ウイルスは、ごくわずかな汚染によって食中毒を起こしてしまいます。
ウイルスを食品に「つけない」を確実に実行するためには、調理者はもちろんのこと、
調理器具、調理環境などの調理場全体がウイルスに汚染されていないことがきわめて重要になります。
そのようなウイルスに汚染されていない調理環境をつくるには、
調理場内にウイルスを「持ち込まない」、仮に持ち込んだとしても、それを「ひろげない」ことが大切です。
すなわち、ウイルスによる食中毒を予防するためには、ウイルスを調理場内に「持ち込まない」、
食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」、食べ物にウイルスを「つけない」、
付着してしまったウイルスを加熱して「やっつける」という4つのことが原則となります。
その基本的な方法は、次のとおりです。
◆食中毒の原因菌は
(1)つけない=洗う!分ける!
手にはさまざまな雑菌が付着しています。
食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、
次のようなときは、必ず手を洗いましょう。
•調理を始める前
•生の肉や魚、卵などを取り扱う前後
•調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後
•おむつを交換したり、動物に触れたりした後
•食卓につく前
•残った食品を扱う前
また、生の肉や魚などを切ったまな板などの器具から、
加熱しないで食べる野菜などへ菌が付着しないように、
使用の都度、きれいに洗い、できれば殺菌しましょう。
加熱しないで食べるものを先に取り扱うのも1つの方法です。
焼肉などの場合には、
生の肉をつかむ箸と焼けた肉をつかむ箸は別のものにしましょう。
食品の保管の際にも、他の食品に付いた細菌が付着しないよう、
密封容器に入れたり、ラップをかけたりすることが大事です。
(2)増やさない=低温で保存する!
細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、
マイナス15℃以下では増殖が停止します。
食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。
肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、
冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。
(3)やっつける=加熱処理!
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、
肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。
特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。
中心部を75℃で1分以上加熱することが目安です。
ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。
特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は、
洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて殺菌しましょう。台所用殺菌剤の使用も効果的です。
ウイルスの場合は、調理場内へウイルスを
「持ち込まない」、「ひろげない」ことが重要です。
◆食中毒の原因ウイルスは
(1)持ち込まない=健康状態の把握・管理!
調理者等が調理場内にウイルスを持ち込まないためには、
ウイルスに感染しない、感染した場合には調理場内に入らないことが必要です。
そのためには、日頃から健康管理や健康状態の把握を行い、
おう吐や下痢の症状がある場合などは調理を行わないようにしましょう。
(2)ひろげない=手洗い、定期的な消毒・清掃!
万が一、ウイルスが調理場内に持ち込まれても、
それが食品に付着しなければ食中毒に至ることはありません。
こまめな手洗いを行いましょう。
また、ふきんやまな板、包丁などの調理器具は、
洗剤でよく洗った後、熱湯消毒を定期的に行いましょう。
◆細菌やウイルスの付着を防ぐ正しい手の洗い方
手に付着した細菌やウイルスは、水で洗うだけでは取り除けません。
指の間や爪の中まで、せっけんを使って正しい方法で手を洗いましょう。
「正しい手洗い」の仕方の動画
「ノロウイルス等の食中毒予防のための適切な手洗い」