「平成23(2011)年度・灘中二日目・大問三・詩」の解説

篠田啓彦

篠田啓彦

テーマ:詩の読解

みなさん、こんにちは。

国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田です。

今回は、「平成23(2011)年度・灘中二日目・大問三・詩」の解説をさせていただきます。

題名は「眠れない夜は」(たの みつこ)です。


新聞とウチワ

【問題の構成】


今回の出題形式は少し変わっています。

通常であれば、一つの詩に対して設問があるのですが、今回は二つの詩から設問がされています。

ただし、作者は同じ「たの みつこ」さんです。

また、二つの詩のそれぞれの題名が記載されていませんが、
【A】に新聞について、【B】は竹について、書かれています。



【問1】


(解説)

【A】の詩の主題は、1連5行目に「新聞」、2連4行目に「新聞紙」と書かれているので、「新聞」であると考えられます。

ちなみに、今では少なくなりましたが、紙の「新聞」は早朝、各家庭に配達され、家族に読まれます。

この設問は、線部1を抽象的に言いかえなさい、という問題です。
また、線部1は比喩表現であるため、その表現を抽象的に言いかえていきます。

1連2行目の「ひとまわりして」という表現から、家族それぞれが新聞を読んでいると考えられます。

例)大人は1面から、子どもはテレビ番組欄等を読む。

1連3行目の「ちょっと疲れた」とは、家族みんなが新聞を読んだので、新聞紙がくたくた、よれよれ(紙が少し痛んだ状態)になったことを表していると考えられます。

以上のことを踏まえ、解答を作成します。


(解答例)40字程度

新しい新聞を家族みんなが読み、少し痛んでしまったということ。(30字)



【問2】


(解説)

この設問は線部2「新聞」と線部3「新聞紙」の違いを説明する問題です。

答え方は、くらべる力を用い、
「新聞は、〜 だが、新聞紙は、〜 だというちがい。」
と答えるのがよいでしょう。

1連4行目に「まだ」、2連3行目に「もう」という表現があります。
この語句の意味の違いをしっかり理解することが必要です。

まだ:状況が変化していない(続いている)ことを表します
もう:状況が変化したことを表します

「まだ」と「もう」の意味の違いは、同じ事実を正反対に見ることになります。

つまり、
「まだ / 新聞」(1連4〜5行目)は、「新しい」
「もう / 新聞紙」(2連3〜4行目)は、「古い」
ことがニュアンスとしてあります。

また、「新聞」は文字通り、新しい情報を得るためのものです。
それに対して、「新聞紙」は家族みんなに読まれ(役割を終え)、単なる紙になったことを示します。

上記を踏まえ、前にも書きましたが、
「新聞は、〜 だが、新聞紙は、〜 だというちがい。」
という形にまとめていきます。


(解答例)40字程度

新聞は新しい情報を得るために読むものだが、新聞紙は本来の役割を終えた紙というちがい。(42字)



【問3】


(解説)

この設問は抜き出しの問題です。

まず、【A】の詩のX前後をみていきます。

3連1行目に「ただの」という言葉があります。
この場合の意味は、「特別なことがない、ありふれた」になると考えられます。

そして、3連1行目の「ただの紙ではありません」をわかりやすく言いかえると「ゴミとして捨てられることを待っている紙ではない」ということになります。

また、まだ利用できることを暗に示しています。

このあたりを頭に入れて、【B】の詩から適当な言葉を探すと4連3行目にあります。


(模解)10字以内

「お役に立ちます」(7字)



【問4】


(解説)

【B】の詩の1〜4連は、線部4「わたし」の話した言葉になります。
そして、5連は作者の言葉になります。

5連2〜3行目では、「竹のウチワが / 思い出話する」と記載されています。

つまり、線部4「わたし」と5連2行目「竹のウチワ」はイコールの関係になります。

また、ウチワは竹から作られるため、模解は以下になります。


(解答例)

a:ウチワ

b:竹



【問5】


(解説)

この設問は、線部5を具体的にわかりやすく言いかえなさい、という問題です。

問4で、1連1行目の「わたし」は「竹のウチワ」であることがわかりました。

ですから、「竹のウチワ」が、線部5「さやさやと / おしゃべりした」となります。

「さやさや」の意味は以下となります。

「主に薄いものが同士が軽く触れ合って立てる、爽やかでかすかな音」
です。

また、1連2行目に「風となかよしでした」と書かれています。

つまり、「竹が風にふかれて、竹の葉同士が触れ合って爽やかでかすかな音を出していた」となります。


(解答例)20字程度

風にふかれ葉がふれあい爽やかな音がしていること。(24字)



【問6】


(解説)

この設問は線部6「今も残る雪の記憶」を具体的に言いかえなさい、という問題です。

【B】の詩では、5連から「竹のウチワ」が「思い出話」を「夏の日」にしていることがわかります。

線部6を丁寧にみていきます。

「今も残る雪の記憶」(5連1行目)とは、なんのことでしょうか?
ここでは、「寒さ」であると考えられます。

また、「届けましょう」(5連2行目)について考えます。
この述語の主語は、「竹のウチワ」になります。
さらに、「届けましょう」を言い換えると「(風を)送りましょう」になると考えられます。

つまり、線部6は、
「竹のウチワ」が「あなた」に『寒さ』を送りましょう。
という意味になります。

上記の言葉は、「夏の日」(5連1行目)に話されているので、よりわかりやすく言うと以下になります。

「夏の日」に「竹のウチワ」が「あなた」に『すずしい風』を送りましょう。

ですから、(解答例)は以下になります。


(解答例)

「すずしい風」



【問7】



(解説)

この問題は少し特殊ですが、がんばっていきましょう!

まず、設問にある「視点」の意味について記します。

「視線の注がれるところ」になります。
「視線」とは、「見ている方向」です。

つまり、作者は「どこに注目して【A】と【B】の詩を作成したか」を考えていくことになります。

そして、【A】と【B】の詩の共通する部分を示すということになります。

では、【A】と【B】の詩をみていきます。

どちらの詩においても、ものが変化しています。
そして、変化前後のもの全ては、人に役に立つものです。

※竹からウチワの他にいろいろなものが作られています。
 例)お箸、ざる、ほうき、かご等
※新聞紙はリサイクルされ、再び新聞用紙やトイレットペーパー等になります。

【A】 新聞 → 新聞紙 
【B】 竹 → ウチワ


(解答例)15字以内

形を変えながら人の役に立つもの(15字)



どうでしたか?

今回は、問題に二つの詩がありました。

戸惑うこともあったかもしれません。

難しかった場合は、再度解き直しをして、しっかり理解しておきましょう!

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篠田啓彦
専門家

篠田啓彦(塾講師)

国語専門オンライン学習塾 啓理学舎

保護者の方にお子さまとの接し方等をアドバイスさせていただくとともに、国語が苦手なお子さまでも特別な学習方法で真の「国語力」が身につき、さらに各教科の成績向上、中学・高校合格へ導いている。

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