「令和2(2020)年度・灘中二日目・大問三・詩」の解説
みなさん、こんにちは。
国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田です。
今回は、「令和4(2022)年度・灘中二日目・大問三・詩」の解説をさせていただきます。
題名は「大根の種まき」(森文子)です。
【問1】
(解説)
この問題は典型的な「言いかえる」問題です。
「〜はどういうことですか」「〜はどういう意味ですか」と問われた場合は、「言いかえる」問題と覚えておきましょう!
「あずける」は、「まかせる、ゆだねる」等の意味がありますが、この場合は比喩表現になります。
この「比喩表現」を抽象的に言いかえることが求められます。
線部1の前(1連1行目)に「花や 野菜や さまざまな種」と書いてあるため、「土に種をまかせる、ゆだねる」と言いかえられます。
また、「土に種をまかせる、ゆだねる」とは、土に種から芽が出るように育ててもらう」ということになるため、下の解答例になります。
(解答例)解答欄:1行20字程度
花や野菜等の種を土にまいて、育ててもらうこと。(23字)
【問2】
(解説)
線部2の前半部分「こちらのリズムに乗って」(1連4行目)と各選択肢の前半部分(読点の前まで)、
線部2の後半部分「芽が わきでることも」(1連5行目)と各選択肢の後半部分(読点の後)
と一致すると考えられます。
上記に従い、各選択肢を消去法で見ていきます。
「ア」:選択肢の前半部分に「必ず」という言葉がありますが、5行目(線部2)には「〜も」という言葉があるため、×となります。
「イ」:選択肢の「種をまく動作のリズムに合わせて、次々に芽が生えてくる」ことはありえないため、×です。
「ウ」:選択肢の前半部分の「自分が願った通りの日に」と4行目(線部2)の「こちらのリズムに乗って」が噛み合わないため、×です。
「オ」:選択肢の前半部分の「自分の全く予想していなかったタイミングで」と4行目(線部2)「こちらのリズムに乗って」と反対のことを表現しているため、×となります。
(模解)
エ
【問3】
(解説)
□(2連3行目)の後に、「大根の種をまこう」と書かれているので、マイナス的な表現である「ア、イ、ウ」は、×となります。
また、2連2行目に「儀式」という言葉があるため、「オ つつしんで」が入ると考えられます。
(模解)
オ
【問4】
(解説)
この設問は、「どんな気持ちを示していますか」となっているため、解答の最後を「〜という気持ち」または、「〜を感じている」にします。
線部3の「もたげる」の意味は、「持ち上げる」です。
ただし、「持ち上げる」よりも静かで控えめな立ち上がりを感じさせる言葉です。
また、線部3の最後に「早や」という言葉がきています。これは、作者の驚きを表していると考えられます。
この解答は、驚きを感じている内容を記述すればよいことになります。
(解答例)2行40字程度
種をまいて、芽を出す大根の素早さに驚きを感じている。(26字)
【問5】
(解説)
この設問は、「そう思うのはなぜですか。理由を答えなさい」となっています。
理由を問われているため、答え方は、「〜から」となります。
大根の種をまくのが、好きな理由を記述することになります。
線部4の前の3連3/4行目に注目します。
「ああ まだ生きてて いい / この身をも ぐっともたげてくれる」
と書かれています。
つまり、大根の種が芽を出すのを見て、生きる力をもらえていると感じていると考えられます。
解答例は次のようになります。
(解答例)2行40字程度
大根の種が素早く芽を出すのを見て、生きる力を得られるから。(29字)
【問6】
(解説)
この問題の設問は、「どのようなことですか、答えなさい」となっています。
そのため、抽象的に「言いかえる」必要があります。
まずは、線部5の「萌え」の意味ですが、
本来の意味は、「芽が出る」「芽吹く」という意味。
植物が芽生えることを表す言葉です。
この詩での意味は、線部5の「あの顔 この顔」に対しての想いが湧き出してくる、といった感じになるでしょうか。
また、7連の「彼岸花」についてですが、この花のイメージは以下になります。
○鮮やかで美しいけれども、どこかはかなく死を連想させる花。
○彼岸(死後の世界)と此岸(しがん・現世)をつなぐ花。
ですから、線部5の「目の前を とおりすぎていった / あの顔 この顔」というのは、「あの顔 この顔」の人たちが亡くなったことを示すと考えられます。
このあたりをまとめると、解答例は以下となります。
(解答例)2行40字程度
以前に亡くなった大切な人たちのおもかげが、自然に思い出されること。(33字)
どうでしたか?
語句の微妙なニュアンスも頭に入れて頑張っていきましょう!




