顧客の良き理解者となるファイナンシャルプランナー
渡辺博士
Mybestpro Interview
顧客の良き理解者となるファイナンシャルプランナー
渡辺博士
#chapter1
ファイナンシャルプランナー(以下、FP)は、「保険」や「証券」に関するアドバイスをする人。こんな認識を抱く人々が主流であることから、現状「FPの本業な何なのか」という疑問すら差し込まれる余地がありません。そんな状況に一石を投じるのが、ワタナベマネークリニックの渡辺博士さんです。渡辺さんは、FPという言葉が世に浸透していなかった1995年に 同資格を取得。以来、FPとしての主業務である提案書の作成、ライフプラン相談を中心に相談者の「お金」に関する悩みに応えてきました。
「FPとしての主業務は、提案書の作成・ライフプラン相談です。その一環として、保険や住宅ローン、相続についても相談に乗ります」と話すように、FPとしての職業意識が人一倍強い渡辺さん。ファイナンシャルプランナーの特色を簡単に表現するならば、語弊があるかもしれませんが「専門分野は深くないが、様々な分野の広い知識を持っているお金に関する専門家」となります。狭い分野に対して深い知識を有する税理士、弁護士などとは真逆の立場にいますが、各分野にわたる横断的なアドバイスは、悩みが具体化していない相談者にとって貴重な存在です。
そんな渡辺さんを頼って、最近は「住宅ローン」や「保険」について相談に訪れる人が増えています。ある相談者は、新築工事を工務店に発注したものの、住宅ローンに関して悩みを抱えていました。工務店や銀行にも相談しましたが、求めている回答はなく、最後に行き着いた相談先が渡辺さんだったと言います。相談者の悩みに応えるため、渡辺さんは住宅ローン加入によって、毎月の返済額が家計に及ぼす影響などを事細かに説明。相談者も「こういうことが聞きたかったんです」と納得してくれたそうです。
上記の事例からも分かる通り、悩みを持ち込んだ相談先では、欲していた回答を得られないということが多々あります。「本当にこれでいいのかな、と疑問に思った時、セカンドオピニオンとして私のようなFPにご相談ください」と語る渡辺さんは、FPという職業が正しく認知され、総合的な相談窓口として機能するため、誇りを持って仕事に取り組んでいます。
#chapter2
一般的に「FPは生命保険や金融商品のセールスマン」だと誤解されていますが、それは、保険代理店や証券会社の営業マンにFPの資格保持者が多いため。「明確な線引きが必要だと思います」と主張する渡辺さんは、相談する時間や場所、日程などを変えることによって、ファイナンシャルプランニングと保険相談を明確に区別します。また、最近多いのが「相談料を無料として顧客を集め、その落とし所として保険への加入を促す」という構図。本来の意味でFPとしての仕事にこだわりを持つ渡辺さんは、相談料は有料でも、解決法としてさまざまな方法を提案。「相談料は無料でも高額な保険に加入することになった」「相談料は発生したが、現状のままで解決策が見つかった」。結果を見れば、入り口である相談料が無料か有料かの違いなど、意味がないことが分かります。そうした真摯な姿勢は、相談者にとっても自分に最適な商品や方法を、公正中立な立場から提案してもらえるという大きな安心感を与えています。
また、相続などを例に出せば、相続税については税理士、遺産相続などに関しては司法書士や弁護士など、相談内容によって複数の専門家に依頼することになります。縦割り社会の日本では横断的な悩みに対してフォローできる人が少なく、相談者は必要に応じて各専門家の元へ足を運ぶ必要に迫られます。幅広い分野でのアドバイスができるFPは貴重な存在でもあり、どこへ相談すればいいのか分からないといった相談者の悩みを具体化し、明確化していきます。段階的に専門家の力が必要になれば、連携している弁護士や税理士、司法書士などを紹介して問題の解決に当たります。
#chapter3
会計事務所に勤務しながらFPの資格を取得し、その後、保険代理店から証券会社へと活躍の場を移してきた渡辺さん。各分野で専門的な知識を身に付けながら、その経験を生かして総合的なアドバイスができるFPとして「ワタナベマネークリニック」を設立しました。名前の通り、家計のホームドクターとして相談者の悩みを解決する適切な処方箋を提供しながら、「夢を実現するための筋道」を照らす案内役として仕事に情熱を傾けます。
また、「神奈川県ファイナンシャル・プランナーズ連合会」の専務理事を務め、同じ考えを持つ同志を仲間として迎え入れながら、FPという職業が正しく認知されるための活動に取り組んでいます。「お金に関する相談にのり、その人の最適なライフプランを提案する」という本来あるべきFPの仕事にこだわり抜き、相談者の未来を手助けする。渡辺さんは、本当の意味での「ファイナンシャルプランナー」であり続けます。
(取材年月:2013年6月)
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