
中里えみこプロのご紹介
「イライラと腰痛はどこへ?」 100歳になっても続けたい古典ヨガとは(1/3)

体を動かすだけがヨガではない。座学と実践で日常が快適になる
体をひねる、合掌した手を天高く突き上げる。全身の緊張をゆるめたり血流を促したりするヨガは、年代を問わず高い人気を誇ります。「でもヨガの素晴らしさはそれだけではない」と話すのが、鎌倉や稲村ガ崎、辻堂などで「鎌倉ヨガ教室」を開く中里えみこさん。数々のヨガ流派の源流といわれる「古典ヨガ」を知ってほしいと、地域の人が集う市の施設やカルチャーセンターなどでレッスンを実施しています。
「自身の内側と向き合い、この世界をありのままに観て感じ心豊かに生きるのがヨガの本当の目的。禅の世界に通じるものです。柔軟性のあるポーズをとるといった肉体面だけでなく、内面を俯瞰(ふかん)し、自身で自分を邪魔しない生き方がヨガの魅力であり面白さです」
ヨガにおける心身の調和を学ぶため、中里さんの教室ではいきなり体を動かすのではなく、座学からスタート。社会問題や日常生活のもやもやなどをどう捉えるべきか、ヨガの精神と照らし合わせて生徒と話し合います。対話を通じて偏見や思い込みなどの「思考の色眼鏡」に気づいたあと、呼吸法や背骨をゆっくりと動かす練習、瞑想(めいそう)の練習に移っていきます。
「ヨガは『体がほぐれて気持ちいい。それでおしまい』というものではありません。座学や修習を通じて心身を整え、気持ちを前に向ける実践法。人間のあるべき姿を研究した総合的な先人の智慧です。いわゆる“動物のポーズ”などはその一部に過ぎません」。フィジカルとメンタル、どちらの改善も目指すのがヨガ本来のあり方と中里さんは話します。
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