IT研修が現場に定着しない理由|解決策は「思考の切り替え」

「毎月末、同じ作業を何時間もかけてやっています」
そんなお話を、企業の事務担当者の方からよくうかがいます。複数のシートをコピーして貼り付け、手作業で並べ替えて、書式を整える。このような繰り返し作業は、Excelの「Power Query(パワークエリ)」を使えば、多くの場合ボタン一つで完結するようになります。
しかし「Power Query」という名前を聞いて、「難しそう」「エンジニアじゃないと使えない」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は私も最初、同じように感じていました。文系出身の私が、コールセンター・バックオフィスの現場経験を経て独学でデジタル化に取り組んだ経験から言えるのは、「Power Queryは、仕組みさえわかれば誰でも使えるツールだ」ということです。
Power Query(パワークエリ)とは?
Power Query(パワークエリ)とは、複数のデータを「つなぐ・整える・まとめる」作業を自動化するExcelの機能のことです。たとえば、支店別の売上ファイルを毎月手作業で一つのシートに集約していた作業が、一度設定しておけば翌月以降はボタン一つで更新できるようになります。
私が担当している研修では、受講者の方々が実際に職場で使っているExcelデータを教材にします。「この毎日やっている転記作業を、Power Queryで自動化してみましょう」という形で進めることで、「これは自分の仕事に直結している」という実感が生まれます。抽象的な機能説明より、具体的な自分の業務への応用が、確実に定着率を高めます。
付箋で学ぶプログラミング思考がデジタル脳への扉を開く
Power Queryを使いこなすためには、「データをどんな順番で処理するか」を考えるプログラミングの思考が必要になります。しかし「プログラミング」という言葉に拒否反応を示す方が多いのも事実です。
そこで私の研修では、まず付箋を使ったアナログのプログラミング体験から始めます。「データを絞り込む→並べ替える→合計する」という一連の流れを、付箋を動かしながら考えてもらいます。この段階で「なんだ、プログラミングってこういう考え方なのか」と腹落ちした受講者の方は、その後のExcel操作の吸収スピードが明らかに違います。
藤沢市の「ふじさわ女性デジタル事務人材育成活躍推進事業(Fプレイス)」や鎌倉市の「女性のセカンドキャリアステップセミナー」でも同じアプローチで研修を実施し、参加者の方々から「こんなにわかりやすく教えてもらったのは初めて」という声をいただいています。
つまずいたときに生成AIを活用する力を同時に育てる
Power Queryを使い始めると、「なんでうまくいかないんだろう」と悩む場面が必ず出てきます。そのつまずきを、自分で解決できる力を育てることも、私の研修の大切な目的の一つです。
基礎を理解しているからこそ、適切に生成AIに問いかけることができます。「このデータの結合がうまくいかない。どうすればよいか」と自分の言葉で聞ける人と、何をどう聞けばよいかわからない人では、問題解決のスピードが全く異なります。研修で得た知識は、生成AIを業務に生かす力につながるのです。
外部業者にシステム開発を発注する場面でも同様です。「自分の言葉で、何をどうしたいかをきちんと説明できる」ことが、イメージ通りのシステムができあがる最大の鍵になります。
研修の後も自走できる組織をつくる内製化支援
Power Queryの研修を実施するだけでは、組織は変わりません。私が大切にしているのは、研修が終わった後も、自分たちで動かせる状態にすることです。
研修の中で受講者同士が業務の改善点を話し合うワークを取り入れることで、「業務改善はチームで取り組むもの」という意識が自然に育まれます。個人のスキルアップだけでなく、チーム全体のデジタル意識が変わる瞬間を、私は何度も目にしてきました。
株式会社ミナルキでは、IT研修だけでなく、Claris FileMakerを活用した業務システムの開発・導入支援、そしてデジタル化全般の相談窓口として、4つのステップ(ヒアリング→提案→実施→定着サポート)で内製化を伴走支援しています。5年以上の研修継続実績、3県以上の自治体・商工会議所での採用、2025年の藤沢商工会議所「優良事業主」表彰が、この取り組みの積み重ねの証です。
「うちにもPower Queryは使えるのか」「どの業務から始めればよいか」——そんな疑問から、ぜひお気軽にご相談ください。オンラインでも対応しています。


