再構築補助金が使いやすくなりました!
※本稿では中小企業庁が実施する事業再構築補助金とものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を指します※
当社では大型補助金の申請サポート・アドバイスにて34社のご支援を行い33社の採択に至っています。一方で多くの企業・同業者から不採択案件についての相談を受けています。そこから見えてきた大型補助金に落ちる会社の特徴・受かる会社の特徴をまとめました。今後、補助金の活用を検討されている事業者さまは是非参考にしてみてください。
1,大前提として「申請代行」「専門家に丸投げ」に騙されないで!!
補助金サポート業者(当社の同業にあたりますね)の中には「申請代行」を謳っていたり、「専門家に丸投げ」「事業者さんは何もしなくていい」等を売り文句にしている者もいます。はっきり言ってNG行為です。実際、公募要領には下記の通り記載されています。 事業再構築補助金(11回)P5 「申請は、電子申請システムでのみ受け付けます。入力については、電子申請システム操作マ ニュアルに従って作業してください。入力情報については、必ず、申請者自身がその内容を理 解し、確認の上、申請してください。代理申請は不正アクセスとなるため、一切認められず、 当該申請は不採択となる上、以後の公募において申請を受け付けないことがあります。」
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo.pdf
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(16次)P2
「本事業は、中小企業自身の経営力を高め、事業計画期間にわたって生産性を高めることを支援 するものですので、申請者は事業計画の作成及び実行に責任を持つ必要があります。 計画の検討に際して外部の支援を受ける場合には、(中略)ただし、申請者が注意内容を理解した上で作成支援者を活用することを妨げるものではございません。」
「(不適切な行為の例)
・作業等にかかる費用等とかい離した高額な成功報酬等を申請者に請求する。
・補助金申請代行を主たるサービスとして営業活動等を行う。
・金額や条件が不透明な契約を締結する。
・中小企業等に対して強引な働きかけを行う。
・申請書に虚偽の内容の記載を教唆する、又は、作成支援者名を記載しないように求める。」
https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/16th/%E5%85%AC%E5%8B%9F%E8%A6%81%E9%A0%98_16%E6%AC%A1%E7%B7%A0%E5%88%87_20230912.pdf
まずは代行が認められないこと、事業者(申請者)が主役であることをしっかりと認識しましょう。(我々コンサルタントはそれを全力でサポートします!)
2,落ちる会社の特徴
残念ながら補助金に落ちてしまう事業者もいます。私が知る事例からその特徴を導くと、やはり「本気度」が足りなかったのだと思います。(厳しい言い方ですが)補助金は申請代行が認められている税務申告や助成金申請とは異なり、事業計画書の良し悪しが採択を分けます。 では事業計画書で差がつくのはどこか?実は中心部分の「これから何をするか?」以上に前段部分の「自社はどんな事業者か、これまで何をしてきたか?」で差が付きます。自社の創業の経緯・想い・顧客・商品・近年の業績推移・取組・強み・弱み・外部環境、これらは事業者にしかわかりません。もちろんヒヤリングによって強み等を明らかにするのはコンサルタントの腕ですが、必要な資料を用意するのは事業者にしかできません(見栄えを整えるのはコンサルタントの得意分野です)、そのため、日ごろからエクセルでも業務用ソフトでもいいので事業に関する情報を整理しておくことが大切であり、そのような日ごろの努力が補助金採択に繋がります。
3,落ちるコンサルタントの特徴
これは両極端ですが①しっかりと事業者の話をきかず作文を作るコンサルタント、②ヒヤリングシートへの回答をそのまま事業計画書にまとめるコンサルタントです。
まずは①ですが、補助金採択が得意なコンサルタントであれば、きれいな文章は作れます。一見受かりそうですが、多くの場合、審査員にばれます。その理由として前段部分の「自社はどんな事業者か、これまで何をしてきたか?」が薄くなったり、ありきたりな内容になるからです。大型補助金は2社に1社が落ちてしまいます。特に似た業種や似た取り組みが他にもあった場合はライバルの多い取り組みだと判断され、受かる会社と落ちる会社に分かれます。そうするとやはり前段部分をしっかりと作りこんだ計画書かどうかで差がつくのです。しっかりとしたヒヤリングと社内資料の整理・開示・分析を行った事業者が高い評価を得ます。
次に②ですが、コンサルタントの仕事をしていないと言わざるを得ません。内容をまとめるだけの仕事で報酬を得ようというのは正直理解ができません。事業者への興味があれば「なぜこのような商品が生まれたのか」「なぜ、そのような取組みをはじめたいと思ったか」「例えば、他にこんな方法もあるけれどもどうだろうか」等の質問が生まれるはずです。このようなヒヤリングのキャッチボールから事業者の本当の強み、本当にやりたいことが明らかになります。主役は事業者ですが、コンサルタントの質問力・考察力・熱意が採択を分ける重要な要素であることは間違いありません。
4,受かる会社の特徴
シンプルに現すと「熱意と謙虚さ」でしょうか。この取組をやりたいという想いの強さが重要です。たとえ、始めは(機械・システムなど購入予定物品の)販売業者から補助金活用を勧められたとしても、想いを強く持つことが重要です。申請のための事業計画づくり、添付書類の準備には多くの時間と労力が必要です。社長または事業責任者に熱意がないと乗り越えられるものではありません。
そして「謙虚さ」について。採択されるためにもコンサルタント・アドバイザー・メインバンク等の助言に耳を傾けることが重要です。しっかりと自社のことを包み隠さず、正直に記載することが採択の近道です。支援者から、こういうデータをしっかり出しましょう、こういう決意表明を明記しましょう、上手くいかない場合の対応策もしっかり考えましょう、等の助言があればしっかりと受け入れることが重要です。
最後になりますが、私が接してきた事例から導かれる補助金採択を分けるポイントをご紹介しました。補助金採択は簡単ではありませんが、自社の成長のプラスになる可能性は大いにあります。まずは可能性を排除せず、チャレンジを検討しましょう。
記事掲載元:当社HP
https://taishikeiei.jp/consulting/20230930132214/