補聴器よりまず耳鼻科受診!というケース
私は補聴器購入は独立系の補聴器販売店をお勧めしています。
自分自身が独立系専門店の経営者だから、というのはモチロンそうなのですが、
理由はそれほど単純なものではありません。
それよりも前に、まずは補聴器販売店の形態、種別といったものを説明しましょう。
補聴器の購入ルートには、どのようなものがあるか?
1.兼業店・・補聴器だけでなく、他の物も販売している店
メガネ店や電気店などが該当します。
2.専門店・・補聴器だけを取り扱っている店
3.仲介販売・・農協、生協などの拠点で相談会で販売するスタイル
実際には農協などが直接販売しているわけではなく、提携業者を仲介しているスタイル
大まかに、このような形態が考えられます。
まず、3の仲介販売は私はあまり勧めません。
専門の人間が常駐しているわけではなく、相談会の時だけ来るようなスタイルですと、
何か困ったときにすぐ対処してもらえない可能性があります。
地方で、補聴器販売店が近隣にない、という場合は致し方ないのかも知れませんが。
次に1.兼業店と2.専門店ですが、
これらは、さらにチェーン店などの「系列店」と、「独立店」に分かれます。
「系列店」といいうのは、いわゆる大手メガネチェーンや、全国展開している補聴器専門店チェーンなどです。
これら「系列店」を私が積極的に勧めない理由は、大きく2つ。
1つ目、店舗によってレベルのバラつきが大きく、担当者の当たりはずれがあること。
一般のお客様には、正直そこまでの見極めは不可能。
2つ目、私はこちらの理由をより重視しています。
会社側(系列の本社、もしくはメーカーなど)の経営判断で、お客様の選択肢が歪められることが発生すること。
分かりやすく言うと、販売側の都合で特定のメーカーや機種に誘導されることが発生するということ。
メーカーの資本が入っている店なら、当然そのメーカーが優先されます。
そうでなくても、チェーン店本社とメーカー側の協議で特定の期間、
これだけ販売したら〇〇円キャッシュバックします・・・などの取り決めがされると・・・?
当然、その特定メーカーを販売するように上からのお達しが出るわけですね。
これは完全に販売する側の事情であって、お客様には関係ありません。
たとえ安くすると言われても、価格だけに釣られてしまうのはよくありません。
本当にそのメーカー、その機種で良いのか、考える必要があります。
例えば、手先が不器用なのに小型補聴器とか、
目立たない超小型耳穴式が希望なのに、もっと小さく作れるメーカーが選択肢から除外されているかも・・?
他のメーカーでより自身の状態に適合した良いものがあるかも・・?
このような事例は、もちろん独立系の販売店であっても発生する可能性はありますが、
確率としては相対的に低いはずです。
また、独立店舗には「ド素人」はいないでしょう。
それなりにキャリアを積んだ人間でないと、独立店舗でやっていけません。
10店未満しかないような、小規模チェーンだと独立系店舗に近いかもしれません。
数十店規模になってくると、どうしても「スケールメリット」を武器に
メーカー側から有利な取引条件を引き出すために、特定メーカーとの裏での協議が行われ、
結果的にお客様目線が損なわれる事態につながることが少なくないのでは・・と感じています。
私はかつて、補聴器メーカーで営業をしていましたので、
そのあたりの裏事情は、「肌感覚」でわかります。
それがイヤで独立したと言っても過言ではない。
こちらの都合が一方通行ではダメ。
私は常に当事者目線で考えられる経営者でありたいと願っています。