左右差のある聴力は対応もケースバイケース
これは聴力図の1例です。
赤い線が右の聞こえ
青い線が左の聞こえ
横軸は周波数・・・右へ行くほど高い周波数の音
縦軸は音の大きさ・・・下へ行くほど大きな音=より難聴が進んで聞こえづらいことを表す
左右でも差があり、周波数ごとでも聞こえの低下具合が異なることが見て取れます。
聴力の低下具合は人それぞれ。
例えば、こんな風に違います。
最初の図とも比較して、三者三様すべて違うことが見て取れますね。
さて、通信販売で売られている補聴器はそれぞれの聴力に合わせることが出来るでしょうか?
答えは「NO」
通販で購入できるような補聴器・集音器には、そのような調整機能はありません。
単純にボリューム操作ができるだけなので、音量の上下だけです。
きちんとした補聴器には「周波数特性」と呼ばれる、出る音質の特長を細かく設定できます。
それは、このような調整画面で確認できます。
この図は、先ほどの聴力図と上下が逆と考えて下さい。
横軸は周波数で同じ
下が小さい音
上に行くほど大きい音を表します。
真ん中の〇で結んだ線は、この方の聴力(最小可聴値)です。
つまり、この線の下の部分、赤く塗りつぶされた範囲は聞き取れない部分。
上の方のグレーの範囲は、音が大きすぎる危険領域です。
その間の白い部分が、この方のダイナミックレンジ(聞こえる範囲)になります。
補聴器の増幅で、この白い部分に会話音声を上手く収めてあげる必要があります。
◇で結んだ線が、会話音声を補聴器で出力したときのグラフになります。
8,000Hz付近で一部聞こえない範囲に外れていますが、会話の聞き取りに重要な部分は概ね聞こえる範囲に適切に収まっています。
補聴器は、このように各周波数ごとに上手く調整して、快適に聞こえる範囲に収めることが出来ます
これが上手く調整できていないと・・・・
これは、補聴器の調整ではあり得ない、トンデモ調整。
この図で見ると、半分くらいは聞こえない範囲に入っています。
しかも、低音域ではあともう少しでグレーゾーンに突入・・・・増幅が大きすぎる状態。
こんな調整では、雑音ばかり酷くて会話が聞き取れない・・・という結果になります。
補聴器は調整がいかに大事か、ご理解頂けますでしょうか?
通販の補聴器や、集音器では、このような周波数特性が一体どのようになっているのか確認のしようもありません。
確認できたとしても、調整のしようもない。
補聴器はしっかり調整のできるものを、技術ある店で購入しましょう。