知財(特許)をマーケティング/新規事業創出に利用する その3 ライバル会社の調査と新規事業

藤井隆満

藤井隆満

テーマ:新規事業創出

ライバル会社の調査と新規事業

知財(特許)を新規事業のテーマ出しに利用することができます。簡単な方法は、ライバル会社や同様の事業を行っている会社の知財を調べることです。知財を調べる前に、対象となる会社の商品群をHPで確認するのも有効です。

要は、
・同じような強みを持つ企業はどんな商品を開発しているのか?
・将来像をどう考えているのか?

ということを調べていきます。特に特許は開発中の商品でも出願されるため、数年後の商品をある程度予測することができます。

わかりやすい例として、コロナ禍でマスクで有名になった「不織布」を考えてみましょう。
自社が不織布を扱っている企業だったとします。ライバル企業はどんな商品を出しているでしょうか?ライバル企業の特許群を検索してみると、さまざまなことが分かると思います。

特許情報プラットフォームの特許・実用新案の検索ページで検索を行います。

特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go

で、検索項目を「出願人/権利者/著者所属」に変更し、ライバル企業の名前をキーワードに入力します。検索結果が膨大な場合は、全文や請求の範囲などの項目を選んで「不織布」と入力して絞り込みます。
例えば、ライバル企業として私の前職の「富士フイルム」を例に、「不織布(全文)」を入力してみます。富士フイルムは不織布がメインの会社ではありませんが、国内だけで2400件以上がヒットしました。「不織布」を請求の範囲のみに限定すると、国内で125件がヒットしました。この数なら斜め読みでも対応可能です。



最近の出願を確認すると(詳細までは見ていませんので、ご了承ください)、
・集塵フィルタ
・インクジェット
・コピー機
・建築用防水シート
・細胞分離フィルター

等々に利用されていることがわかります。
もし、自社がこのような応用商品を持っていなかったら、これらの特許を参考に自社の新規事業の参考にできるのではないでしょうか?自社の不織布の特徴が活きる商品になると思います。自社の商品のライバル会社の特許を調べて、ライバルの出願状況をベンチマークする、さらには最近の特許を調べることでライバルの将来の商品が予想できるということです。

以上のように、他社の特許を調べて自社の商品開発や新規事業に利用するのは有効な方法です。ぜひともトライしてみてください。

次回も特許を使った新規事業について書いていきます。

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藤井隆満
専門家

藤井隆満(技術士)

藤井技術士事務所

大手メーカーなどで技術者として研究開発に従事し、新規事業創出の豊富な経験を誇ります。企業の強みをひも解き、R&Dテーマ選定から研究開発、製品化までサポートします。半導体や化学、素材分野などで実績あり。

藤井隆満プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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