知財(特許)をマーケティング/新規事業創出に利用する その6 ~富士フイルムの銀塩写真から化粧品への展開事例~
新しいビジネスを立ち上げる際、多くの企業は予想外の障害に直面します。これらの障害はしばしば「魔の川」と「死の谷」と呼ばれ、製品開発から市場への導入までの道のりにおいて重要な役割を果たします。
魔の川:イノベーションの障壁
「魔の川」とは、基礎研究から製品開発フェーズへの移行を指します。この段階では、技術を市場のニーズに合わせて適用し、実用的な製品に変える必要があります。このプロセスで製品化の見通しが立たなければ、投資した資源が無駄になるリスクがあります。この障壁を乗り越えるためには、技術と市場の両方の理解が不可欠です。
死の谷:市場導入の困難
一方、「死の谷」は製品化から事業化への過渡期を指します。この段階では、生産ラインの構築や流通経路の確保など、膨大な資金と労力が必要となります。ここでリソースを失うと、事業に大きな打撃を受ける可能性があります。
ダーウィンの海:市場での生存競争
さらに、製品やサービスが市場に導入された後は、「ダーウィンの海」という新たな障害が待ち受けています。競合他社との競争、製品の差別化、顧客評価など、市場での生存競争に勝つことが成功への鍵となります。
解決策:フレキシブルな計画と継続的な評価
これらの課題に対処するためには、フレキシブルな計画と継続的な評価が必要です。私のコンサルティングやセミナーでは、新規事業創出時にこれらの障壁を念頭に置いてテーマを設定します。すべての問題を解決する魔法の解答はありませんが、計画に柔軟性を持たせ、市場や技術の変化に迅速に対応することが成功への鍵です。
新規事業の道のりは決して容易ではありませんが、これらの障害を理解し、適切に対処することで、成功への可能性を高めることができます。
参考:2024.3.4セミナー https://www.rdsc.co.jp/seminar/240314