新規事業の成功を妨げる大企業病とその克服策

藤井隆満

藤井隆満

テーマ:新規事業創出

新規事業を進める上で避けたい大企業病があります。以下がその課題です。

・チャレンジの減少
既存事業が安定している企業ほどチャンジ精神が少ないのではないでしょうか。新規事業の場合はチャレンジしても成功する確率よりも失敗する確率の方が高く、ボーナスの査定も下がってしまいます。更にチャレンジしたいと思う若い人が会社に見切りをつけて転職することもあります。そのようなことが繰り返されるとチャレンジする文化がなくなっていきます。

・臨機応変に対応できない
新規事業は進めていくうちに当初の計画と異なる形に変化する場合が多々あります。それは顧客のニーズが明確になってきたり、背景技術が進歩していったり、新たな技術が開発できたりするからです。しかしながら大企業の場合は、きっちりと計画を立てて、計画通り進める文化がありますから、いい方向に変わっても、悪い方向に変わっても修正しにくいです。一度決めたことをやり通す大企業の文化が臨機応変な動きが必要な新規事業には向いていない場合があります。

・顧客よりも上司の機嫌を取る
大企業はしっかりとした組織ですので、ボーナスの査定、人事評価は上司が握っています。そのため顔色を伺うのはある程度は仕方ないのですが、顧客ニーズよりも上司の顔色、社内政治を新規テーマの進捗に影響させてはダメです。

・意思決定が遅い
縦割り組織が原因で、意思決定が遅くてチャンスを逃しがちです。秘密保持を結ぶのに、上司の許可、役員の許可が必要で、法務部のチェックが入り、締結まで最短で1ヶ月、だめだと3ヶ月ぐらいかかる。中小だと数日でできる。何かの判断をする際に担当者には裁量権がなく、意思決定ができない…。このような問題はスピード勝負のビジネスではありえないです。

対策はそれぞれの項目に対して進めていくしかないです。大企業の良い面の文化ややり方を変える必要があるため、私自身のおすすめは新規事業の組織は、従来組織と切り分けるのがいいのではと思っています。早い意思決定と顧客重視の思考、そして評価もチャレンジでしっかり評価することで、成功に近づくのではと思います。


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藤井隆満
専門家

藤井隆満(技術士)

藤井技術士事務所

大手メーカーなどで技術者として研究開発に従事し、新規事業創出の豊富な経験を誇ります。企業の強みをひも解き、R&Dテーマ選定から研究開発、製品化までサポートします。半導体や化学、素材分野などで実績あり。

藤井隆満プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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