ギャップ・シニア
関西で平穏に老後を過ごしていた84歳の男性が、
突然、自分に振りかかってきた出来事から、
自身が住んでいる地と関東を行き来して疲労困憊だという。
3か月前に義理の兄が他界したことから、それは始まった。
それまでは知らなかったが、
この男性の実の姉である義理の兄の妻が認知症発症していて、
義理の兄が亡き後ひとりで暮らすのは無理だということを知らされた。
しかし、姉夫婦には子供がいなかったため、
後見人をたてることも考えたが、それも申請から半年はかかると言われ、
自宅で1人で暮らせない姉を施設に入所させることが急がれるため、
この男性が後のことを全てすることになったのだとか。
その手続きのために、関西から関東への移動だけでも
84歳という年齢では肉体的に大変なのに、
手続きやらなんやら初めてで分からない事だらけなのを
やって行くのは精神的にもかなり大変。
それに、相続の手続きも、まだ出来てないので、
それらにかかる費用も男性が立て替えて行っていて、
立て替えたお金は返ってくるのか、いつ終わるのかなどの
不安も抱えながら、それでも、自分しかするものがいないので
老体にムチを打って頑張っているのだそう。
この姉夫婦のように老々介護ともなると、
毎日を過ごしていくだけで精一杯で
後のことまで気を回す心の余裕もない。
それに、こいった情報は自分から掴みにいかないと、
なかなか入って来ないこともあると思う。
しかし、だからといって、そのままにはしておけない。
なので、残された身内は大変になる。
これと似たようなケースはよくある。
時には、全く顔も合わせたことのない甥や姪が、
亡き後のいろんな手続きをするようになることもある。
年を重ねていく過程で、これまでの人生を振り返りながら、
モノだけでなく、いろんなことを整理して、
これからの人生や亡き後のことを考えておく必要があるなと
また、この男性からも教えてもらった。