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酒匂信次

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酒匂信次(さこうしんじ) / ファイナンシャルプランナー

有限会社酒匂保険事務所

コラム

~先進医療(前立腺ガンへの陽子線治療)実体験インタビュー~(その1)

2016年3月25日

テーマ:先進医療

コラムカテゴリ:お金・保険

実際に先進医療(前立腺ガンに対する陽子線治療)を受けられて、ほぼ全快された患者様(仮名:楊氏仙~ようし・せん~様)のインタビューを掲載致します。もちろん、ご本人から掲載については同意をいただいております。

 楊氏さんは、とある県にお住まいの男性。(日本国籍です。)

 縁あって、当方に先進医療給付特約(※1)付きの緩和型医療保険にご加入された後に、前立腺ガンが見つかり、
熟慮され、兵庫県粒子線医療センター(http://www.hibmc.shingu.hyogo.jp/index.html
のセカンドオピニオンを受療されたうえで、そのまま前立腺ガンに対する粒子線治療(陽子線治療)を受けられました。粒子線治療の技術料2,883,000円につきましては、ご加入いただいた医療保険の先進医療特約にて全額お支払いすることができました。
 
今般は、楊氏様に2時間にわたり熱心にお話しいただきました。当方は職業柄、粒子線治療についてはある程度の知識があるつもりでしたが、実際に治療を受けられた患者様のお話しは迫真に迫るものがあり、本当にお伺いしてよかったと思いました。本当にありがとうございます。

では早速… の前に粒子線治療についてある程度の解説が必要でしょう。以下をご確認ください。

解説:粒子線治療の特徴  (参照:公益財団法人 医用原子力技術研究振興財団ホームページ)

【治療の特性】
粒子線治療は、サイクロトロンやシンクロトロンなどの加速器で陽子や炭素イオンを光速の60~80%まで加速し、これらをがんという標的に狙いを絞って照射する治療法です。
これらの電荷を持つ粒子線は、ある深さにおいて最も強く作用するということ、一定の深さ以上には進まないという特性を持っています。したがって陽子線や重粒子線はがん病巣にその効果を集中させることが容易となり、がん病巣より深いところには影響を及ぼしません。線量の集中性に優れているということは、ミリ単位で病巣を叩くことが出来るため、手術をせずに治癒に導きうるということです。

がん細胞は急速に成長するため、がん細胞の中心部分は血流が不足し、酸素が不足した状態になっています。このような状態の細胞にはX線やガンマ線などの放射線の効果が十分ではありません。しかし重粒子線は酸素が不足状態にある細胞に対しても、その効果を酸素が十分にある状態の場合と同じように発揮して細胞を死滅させることができます。
また、外科的治療と異なり、痛みがほとんど無く、体の機能や形態の欠損がないことも特徴です。がんは早期であっても、高齢や体力がないために手術ができないような、お年寄り方にも適用できる治療です。入院中または退院後も、生活の質を高く保つことができ、治療効果が高いということも粒子線治療の特徴といえます。

陽子線と重粒子線の治療上の特性はほぼ同じですが、重粒子線治療の方ががん細胞の殺傷能力が高いですが、細かい線量については、重粒子線より陽子線の方が調節しやすいようです。

【適用のガン】
頭頸部のがん(耳鼻科領域、口腔外科領域)・頭蓋底のがん(髄膜腫、脊索腫、軟骨肉腫)
肺がん(腫瘍は1個のみ)・肝臓がん(腫瘍は1個のみ)・前立腺がん ・骨軟部腫瘍(悪性)
直腸がん術後局所再発がん・縦隔腫瘍(悪性)・局所進行膵臓がん ・腎臓がん

※治療方法は、がんの臓器内の部位や形状等によって異なります。但し、胃や大腸など消化管のがん、複数のリンパ節転移のあるがん、血液のがん(白血病等)などは、粒子線治療の適応にはなりません。

すごくざっくりと言いますと…
・「固形ガン」に対する放射線(陽子線・重粒子線)治療です。
・従来のエックス線治療と異なる、成分の放射線であり、ガン細胞を死滅させる力強く、かつ副作用が少ないことで知られます。
・但し、全てのガンに適用されるわけではなく、治療費(先進医療技術料)も280万円~310万円と高額です。
 (健康保険のように、そこから3割負担、というわけではなく、その技術料実費がかかります)
・1回あたりの治療時間は20~30分程度であり、基本的には外来通院での治療です。(但し、楊氏さんの
ケースのように、病院によっては入院できる周辺の病院を紹介してくれるケースもあります。)

先進医療給付特約(※1) ~
先進医療にかかる技術料と同額の給付金を受け取ることができる、医療保険やガン保険の特約。
保障限度額は各社によって異なります。一時金の保障が付いている会社もあります。先進医療とは、厚生労働大臣によって定められた高度な医療技術を用いた療養のことです。
また、医療技術ごとに一定の施設基準が設定され、その基準に該当する病院や診療所においてのみ
保険診療との併用が認められています。現段階では、通常の治療と共通する診察・検査・投薬・入院料
等以外は、健康保険の給付対象外となるため全額自己負担となります。現在、固形ガンに対する粒子線治療は基本的には、国から先進医療の承認を受けている病院で行われています。
(保障内容は保険会社によって異なります。詳細はご加入の保険会社へご照会下さい。)

 
…ではインタビューに入るところで1回目を終わります!

え?紙面稼ぎ? ええそれが何か?

こんなことばかり繰り返していると四面楚歌になってしまいますね…

この記事を書いたプロ

酒匂信次

一人ひとりの「将来」と誠実に向き合う保険のプロ

酒匂信次(有限会社酒匂保険事務所)

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