音楽の力をギフトとして届ける癒しの演奏家（2/3）

音楽に見出した人と地域を変える力

　吉田さんが音楽にさらなるパワーを見出したきっかけは、音楽療法との出会いでした。そこには、最愛の息子さんの存在が大きく関係しています。長年両親の介護と子育て、仕事と多忙な日々を送っていた吉田さんでしたが、息子さんが18歳の時コミュニケーションに関する発達障害の可能性を指摘されました。「息子とどう向き合うべきか？」悩んだ先にあったのはやはり音楽でした。そこから数年かけ音楽療法士の資格を取得。さらに笑いと呼吸を融合させた笑いの体操といわれる『笑いヨガ』や、専門的な知識で働く人たちのカウンセリングを行う『産業カウンセラー』の資格も取得しました。それらの活動の中から多くの学びを得て、吉田さんは改めて息子さんと向き合いました。母の理解とサポートを得て、自信と自分らしさを取り戻した息子さんは、今、母の伴奏に合わせリサイタルを開くほどのボーカルリストに成長。たくさんの人に感動を与えています。

　「音楽療法は誰も否定しません。悪いところを直すのではなく良いところに光を当て、その人らしく生きられるように導くためのものです。」という吉田さん。県内でも数少ない音楽療法を使ったカウンセラーとして、これまで医療機関や施設などからも依頼を受け精力的に活動をしています。音楽療法は引き算の人生ではなく足し算の人生を歩んでもらうための優しいアプローチ…現代社会の中でさまざまな理由で生きづらさを感じている人たちに優しく寄り添う存在として、吉田さんのもとには多方面から依頼や相談が届いています。

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