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霧島のヒト、モノコト、ストーリーを生かした事業展開や商品・サービスの開発をサポート

霧島の豊かな地域資源から新たな事業を生み出すプロ

今吉直樹

今吉直樹 いまよしなおき

#chapter1

ふるさとプロデューサーとして霧島の魅力を発信し、地域の課題解決にも尽力

 「霧島で事業を始めたい方や新商品を開発したい方、人材不足や販路開拓などでお困りの方は当方にご相談ください」と話すのは、「キリシマビト」の代表であり、ふるさとプロデューサーの今吉直樹さん。

 日本で最初に国立公園に指定された霧島錦江湾国立公園や、天上界から神が地上に降り立った天孫降臨神話にゆかりが深い霧島神宮。北に霧島山を抱え南に桜島を望む九州有数の温泉地で、空港がありアクセスも良好。豊かな地域資源を持つ霧島を世界に発信したいと、さまざまな取り組みをしています。

 例えば、観光庁の「地域一体となった観光地・観光産業の高付加価値化事業」に採択された事業を中心となって推進。老朽化していた旅館やホテルの改修をサポートし、客単価の向上をかなえました。

 「コロナ禍の影響で改修に踏み切りにくい状況でしたが、採択による補助金で事業者さんの背中を押すことができました。設備投資が進み、地域経済を支える金融機関にとってもプラスになる事業となりました」

 また、多くの人に霧島ならではの食に親しんでもらえるよう、有機栽培農家と宿泊や飲食事業者をつなぎ、地産地消を促す仕組みづくりにも尽力。

 「有機栽培は大量生産に向かず出荷数が限られるので、購買者が生産者らに直接発注できるサイトを構築しました。生産者の運搬作業の負担を減らすため、運送会社も立ち上げました」

 元市役所職員で、霧島市議会議員や保護司、公民館役員や消防団などを務める今吉さん。幅広い人脈と施策の実行力で課題解決の道筋を描き、事業のアイデアを生み出します。

#chapter2

市役所職員として観光振興に取り組み、温泉スタンプラリーなど企画を立案

 生まれも育ちも霧島市溝辺町(旧姶良郡溝辺町)という今吉さん。2004年に溝辺町役場に入職しました。翌年、市町村合併により霧島市役所勤務に。2010年に鹿児島県庁観光課に出向し、九州新幹線開業に伴う誘客キャンペーンを担当しました。

 「公務員は約3年で異動し、多角的に経験を積みますが、私は何か一つ自分の軸となるような分野でスキルを磨きたいと、常々考えていました。景勝地や名所などをPRして人を呼び込むうちに、地域振興が自分の軸になると思えたことが現職への第一歩です」

 県庁から市役所に戻り観光課に配属。合併した1市6町全体での温泉スタンプラリーや、鹿児島県内の温泉地である指宿との共同キャンペーンなどを次々と立案しました。

 「自分で仕事を作り出していくことに、手ごたえを感じていました。ところが特産品の担当になった頃、観光業や農業に携わる方々から『自分の子どもには継がせたくない』といった声を聞いたんです」

 霧島の地域資源を十分に生かせていない現状を何とかできないか思案していたときに、中小企業庁の「ふるさとプロデューサー育成支援事業」を知り応募。地域や地場産品をプロデュースする福島県の「本田屋本店」で約半年間研修することになり、全国に帯同しました。

 「各地が抱える課題に触れる中で、霧島のポテンシャルの高さを改めて感じました。地元のヒト、モノコト、ストーリーを生かしたまちづくりで魅力を伝えたいと方向性を定めました」

#chapter3

「霧島ガストロノミー推進協議会」や「ゲンセン霧島」認定制度なども展開

 今吉さんは、ふるさとプロデューサー研修を終えると、霧島の可能性を引き出すためさっそく行動に起こします。

 「地域の食材と歴史、習慣、伝統によって育まれた食文化を楽しむ『ガストロノミーツーリズム』という概念が近年注目されています。そこで霧島を丸ごと味わうというコンセプトで、産官学による『霧島ガストロノミー推進協議会』を発足させました」

 さらに、料理や農林水産物、サービス、食育といった各種活動などを「ゲンセン霧島」として認定する制度もスタートしました。

 「ブランド化することで意欲のある事業者を応援できますし、事業者同士の交流で新たな商品やサービスが生まれたケースもあります」

 霧島ガストロノミーを軌道に乗せた今吉さんは、2021年、40歳を機に市役所を退職してまちづくり会社「キリシマビト」を起業。「みぞベース」と名付けた事務所兼シェアオフィスを開設し、人が集う場所として運営しています。他にも、農業と福祉の連携事業や、空き家のマッチング事業など仕事は多岐にわたります。

 「霧島について語るとき、水の話から始めるんです。活火山によって幾重にも形成された地層で、長い年月をかけて磨かれた水は飲み水や温泉となり、川を流れて田畑を潤し、錦江湾へ注ぎ海の幸を育みます。水は何色にも染まり、どんな形にもなれる。流れに沿う素直さもあれば、こんこんと湧き出す力強さもある。私自身も水のように生きたいと思っています」

 姿形を変えながら恵みをもたらす水のように、霧島に暮らす人々を潤すため今吉さんは力を尽くします。

(取材年月:2024年8月)

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今吉直樹

霧島の豊かな地域資源から新たな事業を生み出すプロ

今吉直樹プロ

ふるさとプロデューサー

キリシマビト

11年間観光行政に携わりさまざまな企画を実現させた実行力と、市議会議員、保護司、公民館役員などを務めて得た幅広い人脈で、霧島のヒト、モノコト、ストーリーを生かした新規事業展開やマッチングなどサポート。

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