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コラム

「知らなかった」では許されません

2024年3月23日 公開 / 2024年3月26日更新

テーマ:法律・制度

コラムカテゴリ:法律関連

禁止されていることを行って「知らなかった」では許されません!

・会社の経営や組織の運営だけでなく、一般個人の日常生活でも、法律や制度、特に禁止されていること・許されないことを行った後に「知らなかった」「教わらなかった」「聞いていない」「予想・想像できなかった」「他の会社・団体・人もやっている」「これまで一途に〇△に専念してきたのでそのようなことは全く分からない」等と言い訳をしても、許されないのが原則です。
・時に、経営や事業存続、平穏な生活さえも脅かし、一夜にして現在の華々しいステージからの退場を余儀なくされる事態になる可能性もあります。問題を矮小化、隠蔽しようとして嘘をついた結果、つじつまを合わせるために更に泥沼に入ったり、嘘をついたこと自体が責められ致命的になるパターンも多い印象です。

会社経営者や重要・著名な立場にある個人は特に注意が必要です

・近年では「コンプライアンス」「法令遵守」への要求度が非常に高まっています。インターネット・SNSの普及も相まって法令違反等の不適切な事項に対する問題意識・攻撃的意見(◇△警察等)の高まりは歴史的にも最高レベルではないでしょうか。しかも、相当昔の出来事も探し出されて追及、攻撃の対象となることも稀ではありません。いわゆるデジタルタトゥーとして永続的に記憶されることもあり得ます。
・会社経営者や組織・団体の責任者、重要な立場にある個人(私人:政治家、芸能人、スポーツ選手、研究者・学者、医師・歯科医師等の専門家etc・・・)は他人事や他の周囲の会社や組織・人々もそのようなことはしていない等として安心(=盲信)せず、徹底して注意するべきです。
・これは、自社(自分)のみならず社員や部下、周囲の個人的なパートナー・友人・知人の行為・言動についても同様です。

「法の不知はこれを許さず」

・法的な概念に「法の不知はこれを許さず」という言葉があります。 これは「法律を知らないことを理由に、罪を免れることはできない」との意味ととらえられています。
・刑法では「法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。」(38条3項)と規定されています。「ただし、情状により、その刑を減軽することができる。」とも規定されています。
・熱心に情報収集や勉強・研鑽をして、「許されないこと」、「してはいけないこと」、「整備すべきこと」を知って、法律を誠実に遵守しようとする方々・会社等と、それらに無関心で、誠実に対応しようとせず放置する等の方々・会社等と比較して、後者だけが「知らなかった」「教わらなかった」「聞いていない」「予想できなかった」等と言い訳をして罰則や不利益を免れることができることが不当であるとの価値判断と考えます。これは、民事事件や業法、各種規制についても同様に解されると思います。

ぜひ事前の法律家のチェック・アドバイスを!

・会社や組織において、弁護士への相談の手間・時間や費用の負担を省いたがために深刻な不利益、損害を被る例が多数発生しています。
・問題が発生した後の費用やそのための損失は莫大なものになる可能性があります。それとの比較では、事前の法律家のチェック・アドバイス=予防は非常に効果的で、コストパフォーマンスは高いのです。そのための費用・額も、例えば会社や組織の接待、交際費やアメニティー等の定期支出などと比較しても負担は高くないと推測します。

気軽に相談できる顧問的な立場の弁護士の有効性

・欧米等ではごく一般的ですが、わが国でも本業のみならず、関連する種々の活動や発生したトラブルの解決・処理をする場合に備えて、気軽に相談できる顧問弁護士やそれに準ずる立場の弁護士等専門家との良好な関係を構築しておくことは非常に重要と考えます。弁護士として深刻なトラブルに陥ったケースの相談を数多く経験し、経営や運営に当たる責任ある立場の方、重要な立場にある個人に必須の資格・条件ではないのかとさえも感じることがあります。
・形式的、契約的に顧問であっても、「気軽に相談」が出来なければ意味がありません。経営・運営のトップだけでなく、実務的な各部門の方々によるアクセス容易性も同様に考えます。

問題の本質:なぜ弁護士等専門家へ事前相談しないのでしょうか?

・会社や組織の責任者の場合、自分や自社の当該部署が法律や制度、そしてそれらに基づく妥当な判断や対応をできる自信があるならば大丈夫だと思います。本業や営業、経営、自分の専門分野では自信がある方でも、それら法律や制度に長けた方は少ないのではないでしょうか。
・一方、そうでない場合で、初めての制度や分野への進出、非日常な出来事の発生、予想外・困難な経緯等への対応をする場合には、「行う前」「決める前」等の事前に、是非とも弁護士等専門家へご相談されることをお勧めします。
 ⇒その場合、「・・・しても大丈夫ですよね!」との質問・耳障りの良い意見への誘導ではなく、「・・・しようと考えているのですが、法的、制度的等の視点から問題、リスクはないでしょうか?遠慮なく、厳格・厳密な判断、意見を望みます。」等、「自分は大丈夫」「これまで問題なかったのだから、今回も大丈夫」的な楽観的思考、バイアスの罠にとらわれた考え方から離れた意見収集が有効・必要と確信します。場面・状況によっては、当社の従業員、役員、部下、外注先、周囲の個人の行為・言動等の適法性、不正行為の有無等幅広くチェックを依頼することも非常に有用と確信しています。だからこそ、気軽に相談できる顧問弁護士やそれに類似する関係の弁護士他専門家の存在意義は非常に高いと考えるのです。
・弁護士は、徹底した守秘義務、秘密保持の義務を負わされています。
※当事務所弁護士は、弁護士としてコンプライアンスチェックのみならずCFE(Certified Fraud Examiners:公認不正検査士)の資格も保有し、更に必要に応じ諸専門家とも連携し、会社・法人・個人事業者、各種組織・団体や個人の諸問題について鋭意対応しています。

こちらもご参考にどうぞ
https://www.asuka-lawoffice.com/houjin/index.php?e=205
https://www.asuka-lawoffice.com/houjin/index.php?e=108
顧問につきまして
https://www.bengo4.com/kagawa/a_37201/l_117619/#pro13

この記事を書いたプロ

植松浩司

幅広い法律問題を身近な相談相手として解決するプロ

植松浩司(あすか総合法律事務所)

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