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【築18〜30年の方へ】その屋根、塗ってはいけない屋根材かもしれません

瀧澤豊

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テーマ:屋根の塗装

塗れない屋根

こんにちは。盛岡市で屋根工事を専門にしている瀧澤屋根工業です。

先日、「その屋根、あと何回塗りますか?」というコラムを書きました。塗装をくり返すのと、カバー工法や葺き替えを1回やるのと、30年で見るとどちらが得かというお金の話です。

今日はその続きで、お金より前の話をします。

というのも、世の中にはそもそも塗ってはいけない屋根材というものが実在するからです。塗るか塗らないかを考える前に、まず「うちの屋根は塗れる屋根なのか」を確かめないといけない。ここを飛ばして塗ってしまう方が、盛岡でも本当に多いんです。



先に結論から書きます

塗装しても意味がない屋根材が、7種類あります。

意味がないというのは言葉のあやではなく、塗った塗膜が、屋根材ごと剥がれてくるということです。屋根材そのものが壊れているので、上から何を塗っても止まりません。

該当する屋根に50万円かけて塗装をすると、その50万円はまるごと消えます。数年後に、同じ場所でカバー工法か葺き替えをすることになります。



塗ってはいけない屋根材7種類



製品名 メーカー 製造年 出てくる症状
パミール ニチハ 1996〜2008年 層間剥離、釘の腐食、軒先の劣化
コロニアルNEO KMEW(旧クボタ) 2001〜2008年 変色、不規則なヒビ割れ、欠落
ザルフグラッサ ケイミュー(旧クボタ) 1997〜2006年 ヒビ割れ、欠け、層間剥離
アーバニー ケイミュー(旧クボタ) 1982〜2005年 ヒビ割れ、欠落
レサス KMEW(旧松下電工) 1999〜2006年 反り、ヒビ割れ、割れ欠落
グリシェイドNEO ケイミュー(旧クボタ) 2001年〜 反り、ヒビ割れ、層状の剥離
セキスイかわらU 積水ルーフテック 1970〜2007年 塗膜の剥がれ、ヒビ割れ、基材の崩れ




名前を見ても、ほとんどの方はピンとこないと思います。当たり前です。家を建てるとき、屋根材の商品名まで覚えている人はまずいません。

でも、この表にはもう一つ、見てほしいところがあります。



製造年を見てください

1996年から2008年。
ここに集中しています。

2026年の今、この時期に建った家は築18年から30年です。

そして、人が「そろそろ屋根を塗り替えないとな」と考えるのは、だいたい築20年から25年。2回目の塗り替えを検討する年頃です。

完全に重なっています。

つまり今、盛岡で「屋根塗装」を考えている方のかなりの割合が、そもそも塗れない屋根に住んでいる可能性があるということです。これは脅かしではなく、単純に年代の計算です。





なぜこんな屋根材が生まれたのか

犯人探しをしたいわけではないので、事実だけ書きます。

昔の屋根材にはアスベストが入っていました。アスベストは体に悪いということで、2000年代前半にかけて建材への使用が規制されていきます。メーカー各社は、アスベストなしで同じ強度を出す屋根材を、急いで開発することになりました。

その切り替えの時期に作られた製品が、上の7つです。

当時のメーカーも手探りだったのだと思います。アスベストは、屋根材を丈夫にするという意味では非常に優秀な材料でした。それを抜いて同じものを作るのは、簡単ではなかったはずです。

結果として、新築から10年ほどでボロボロになってくる製品が生まれてしまいました。

私はメーカーを責める気はありません。ただ、その屋根の下で今も暮らしている方が、それを知らないまま塗装の見積りを取っているという状況は、屋根屋として黙っていられないんです。



屋根に上がらずに、自分で確かめる方法

ここが今日いちばんお伝えしたいところです。

なるべく屋根に上がらないでください。これらの屋根材は、人が乗るだけで割れます。そもそも屋根からの転落事故は毎年起きています。上がらずに確認できる方法が3つあります。

方法1:2階の窓から見下ろす

一番簡単です。下屋根(1階部分の屋根)が見える窓があれば、そこから覗いてみてください。

方法2:地上からスマホの望遠で撮る

今のスマホはよく写ります。家から少し離れて、屋根の先端を狙って撮ってください。

方法3:新築時の書類を探す

図面や仕様書、契約書の一式に、屋根材の商品名が書いてあることがあります。押し入れの奥に眠っているかもしれません。


見るのは「軒先」です

そして、どこを見るか。屋根の先端、軒先です。

これらの屋根材は、必ず軒先から傷みます。雨や雪の影響を一番受ける場所だからです。

こういう状態が出ていたら、該当を疑ってください。

- 層になってめくれている(層間剥離といいます。ミルフィーユのように、薄い層がペロッと浮いてくる)
- 先端がボロボロと欠けている
- 屋根材が反り上がっている、浮いている
- 細かいヒビが不規則に入っている
- 屋根材が1枚ずれている、落ちている

とくに「層になってめくれているの」を見つけたら、ほぼ間違いありません。写真を撮っておいてください。



岩手だと、進行が早くなります

盛岡やその周辺だと、事情がもう一つ加わります。

凍害です。

屋根材のヒビや層の隙間に水が入り、冬の夜に凍って膨らみ、昼にまた溶ける。盛岡はこの凍結と融解のくり返しが多い土地です。ヒビはこれで確実に広がっていきます。

さらに、屋根に積もった雪が滑り落ちるときに、弱った屋根材の先端を引っかけて持っていきます。

同じ製品でも、暖かい地域より岩手のほうが傷みが早い。これは現場でずっと感じてきたことです。



現場で見てきた実例



盛岡市内・築27年のお宅

「そろそろ塗り替えの時期だと言われたので、見てほしい」というご相談でした。屋根に上がって見てみると、手で層がめくれる状態。コロニアルでした。塗れる屋根ではありませんとお伝えして、カバー工法をご提案しました。


紫波町・築26年、すでに1回塗装済みのお宅

10年前に塗ってあり、色はまだ残っていました。塗膜が屋根材ごと剥がれていました。塗装は屋根材の壊れ方を止められないということが、そのまま形になっていた現場です。




該当したら、選択肢は2つです

厳しい言い方になりますが、はっきりさせておきます。

カバー工法か、葺き替えか。この2つしかありません。

- カバー工法:今の屋根の上に、新しい金属屋根をかぶせる。既存を撤去しないので費用は抑えられる。30坪で100万〜180万円ほど
-葺き替え:古い屋根を全部はがして、下のルーフィング(防水シート)も新品にする。30坪で120万〜200万円ほど

これはお金の面では悪い話ばかりでもありません。塗装をくり返すと10年ごとに50万〜60万円が出ていきます。一度カバーや葺き替えをしてしまえば、30年から40年は屋根のことを考えなくて済みます。




よくある質問


Q. うちの屋根材の名前が分かりません。どうすればいいですか?

築年数と、写真があれば、だいたい絞り込めます。LINEで写真を送っていただければ確認します。

Q. 表にない屋根材なら、塗って大丈夫ですか?

この7つが代表的というだけで、他にもあります。逆に、2004年より前のアスベスト入りのスレートは丈夫なので、割れが少なければ塗装で問題ありません。年代と状態の両方で見る必要があります。

Q. まだ雨漏りしていません。急がなくていいですか?

雨漏りが出てからだと、下の野地板まで傷んで葺き替えしか選べなくなることがあります。雨漏りする前ならカバー工法が使えて、費用を抑えられます。急ぐ必要はありませんが、確認だけは早いほうが得です。


Q. 見てもらったら、必ず工事しないといけませんか?

そんなことはありません。「まだ大丈夫です、5年後にまた見ましょう」で終わる現場も普通にあります。



まとめ

屋根の塗り替えを考えたとき、ほとんどの方はまず「いくらかかるんだろう」と調べます。それが普通だと思います。

ただ、その前に確かめてほしいことが一つだけあります。

うちの屋根は、そもそも塗れる屋根なのか。

1996年から2008年ごろに建った家には、塗っても塗膜が屋根材ごと剥がれてしまう屋根材が使われていることがあります。今ちょうど築18年から30年。屋根の塗り替えを考える時期と、そっくり重なっています。

確かめ方は難しくありません。2階の窓から、あるいは地上からスマホの望遠で、屋根の一番先っぽを見てください。そこが層になってめくれていたら、塗る前に一度声をかけてください。危ないので、ご自分では屋根に上がらないでくださいね。

もし該当していたとしても、慌てなくて大丈夫です。雨漏りが出る前ならカバー工法が使えますし、一度やってしまえば10年ごとの塗り替え代からは解放されます。長い目で見れば、むしろ楽になる話です。

私は塗装そのものを否定しているわけではありません。塗って長持ちする屋根なら、塗ればいいと思っています。ただ、塗れない屋根に50万円をかけてしまうと、そのお金がまるごと消えてしまう。それだけは避けてほしいんです。

うちは瓦も板金も両方やっている屋根屋なので、どの工法をおすすめしても得も損もしません。だから、その屋根にとって一番いい方法を、そのままお伝えできます。ドローンだけで済ませず、職人が実際に屋根に上がって、目と手で確かめます。



屋根のこと、うちのホームページにまとめてあります


その屋根、あと何回塗りますか?(30年費用シミュレーション)こちら
築年数と屋根材を選ぶだけで、これから30年でいくらかかるかが出てきます。

コロニアル屋根の修理についてこちら
今回お話しした、コロニアル・スレート系の屋根の修理事例です。

LINEで見積り:屋根の写真を送っていただくだけで、最短即日でお返事します。

当社では現地調査・ご相談は無料で対応しております。

気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

瀧澤屋根工業 代表のタキサワでした。
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屋根は生活に無くてはならないものです。だからこそ安全性が高く、安心して暮らすことができる屋根をつくりたい。長年培ってきた知識・技術・経験をいかし、お客様のニーズに合った屋根づくりをご提供します。

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