もしかしてその屋根からの雨漏りは結露かも。以外と多い冬の結露による雨漏りについて
岩手県盛岡市では寒冷地のため
寒冷地ならではの屋根修理があります。
さむーい盛岡市の冬は
雪が降らないエリアと同じ施工方法では屋根が傷みやすいのです。
屋根工事の経験17年のキャリアで
様々な屋根の修理を見て触れて
自身でおかした失敗なども含めてご紹介します。
2階からの落雪による瓦の割れ
雪が積もり凍った固まりが2階屋根から1階屋根に落ちてしまい
瓦屋根が破損しています。
破損している事を気づかないで放置していると
下地の木が腐食したり、雨漏りの原因にもなります。
谷部の瓦の破損もよくあります。
谷は雨水も集中しますが、雪もここに溜まってしまいます。
谷だけ1mを超えるくらい雪が固まって溶けずに残っている家はよく見かけます。
溜まった雪の重みで瓦が割れてしますのです。
ですから、谷の瓦に荷重がかからないように
谷廻りに雪止瓦を設置するなど対策が必要です。
谷の両サイドに雪止瓦を設置しました。
これで谷の瓦が割れにくくなりますし、雨樋が壊れる心配もないです。
落雪による雨樋の破損 よくある不具合です
また雪が降ると雨樋も壊れてしまうことがありますね。
岩手県でよく採用されている板金屋根は、雪が滑り落ちやすいので
雨樋の付ける高さ・先端からの出幅が重要になってきますね。
急勾配屋根に雨樋と付けるときは、滑り落ちてきた雪が当たらない
絶妙な位置に設置しなければなりません。
他に対策として樋受け金具の取付けピッチを増やし
一般的な455mm→300mmピッチにしてあげれば強くなります。
特に雨樋が破損しやすい谷部分も樋受け金具のピッチを細かくして
壊れないように考えたほうが良いと思います。
できれば屋根のメンテナンスは最小限にしたいところ。
あとから悩まなくてもよいように
住宅の新築であれば予め屋根の形状や雪止め計画が必要です。
屋根に負担をかけたくない方は
雪を止めずに滑り台のように落としてしまう考えもありますね。
積雪1mを毎年超える地域でよく見られる対策です。
スガ漏れによる屋根の劣化
スガ漏れによる軒天の劣化状況
気温がマイナス10°になるほど冷え込む盛岡市では
スガ漏れ(スガ漏り)と言われる現象がおきます。
少しずつ溶けてきた水が凍っている軒先でダムになってしまい
屋根材の間から侵入してしまい、軒天や天井が濡れてきます。
「スガ」とは青森地方の方言で氷と意味し
寒冷地ならではの、氷による屋根の損傷をスガ漏りと表現します。
小屋裏の温かさで溶けた雪解け水が流れてダムになってしまうので
小屋裏の断熱はとても重要です。
ボンボンと焚いたストーブの温かい空気が
屋根へ伝わらないように断熱方法を事前に計画しましょう。
冬場は積雪により棟換気が塞がってしまい
換気できない状況になってしまうとこがありますが
小屋裏の換気は重要ですので棟換気は多めに付けた方が良いかと思います。
また軒の出部分に換気金物などを付けて吸気してあげるのも重要です。
軒先から吸気して、棟で排気してあげる空気の流れが必要です。
石粒付き鋼板屋根のスガ漏れ事例
この写真を見ると、水が入った跡がくっきりと残っています。
私たち屋根屋はスガ漏れによる劣化を軽減する工事が必要で
軒先は二次防水である下葺きを吟味しなければなりません。
私たちは屋根材によって下葺き材を選定します。
釘穴のシール性に優れた粘着層付のゴムアスルーフィングを使用するなど
防水効果の高い、親密性のある優れた下葺き材を使用します。
緩勾配では粘着層付のゴムアスルーフィングを2層貼りしたりと
中に入った水が流れる仕組みを作り上げます。
軒先の一寸角もしっかりと下葺き材で巻きこみ
劣化しにくいように考えています。
この一寸角の巻き込みが流れてきた水をカバーしてくれます。
このひと手間も大事です。
瓦棒葺きの軒先劣化や軒先折れ
岩手県で古い住宅でよく使われていた瓦棒葺き
昔は長尺タイプと言えば、この瓦棒葺きが主流でした。
40~50年前に施工された瓦棒葺きが今になって
ボロボロになっている家がたくさんあります。
瓦棒葺きの軒先は特に劣化しています。
捨て唐草ではなく、ただのL字型の唐草を使用していた家は
必ずこのように劣化しています。
一寸角が腐食して、軒天がボロボロになっています。
必ず捨て付きの唐草板金が必要です。
この軒先の唐草板金の取付け方を間違えると
5年・10年後に軒天がボロボロになってきて修理が必要になってしまいます。
このように屋根は雨漏りや破損が起きやすいシビアな部分です。
様々な失敗や経験を積んだ職人の知識が必要です。
屋根に関することは是非私たちに相談してください。
宜しくお願いします。